2020年モデル エンジンラインナップ座談会

エンジンラインナップについて、座談会で今後を占います。

前回の記事で、「ボルボエンジンラインナップ 2020年度版」を公開しましたが、あちらは単純なライブラリとしてブログに掲示するつもりで作成しました。

情報をまとめてお伝えするのがメディアの使命なら、はしっこを突っついて遊ぶのもメディアの使命です( ・∇・)

エンジンラインナップについて物申す、座談会の始まりです。

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3気筒エンジンの改良

ーーー10年前は直列5気筒がボルボの主役でした。いまはDrive-Eの直列4気筒ターボが主役、さらに3気筒も加わってきました。今回はボルボのエンジン戦略の行方を話していただきましょう。

マコ「マルチシリンダー、いいですよね〜」

エイジ「直列5気筒時代には、横置き直列6気筒車も作っていたボルボです。ボルボを乗り継いできた人には、若干寂しいのが今のエンジン群ですね。」

シンゴ「でも、Drive-Eの4気筒ターボエンジンは良くできているでしょ。3気筒は欧州での試乗記を見ると、あまり良くない印象のようだけど。」

マコ「XC40に搭載された3気筒エンジンですね。そこなんですけど、私たちはもう一度XC40の3気筒エンジンを評価する必要があります。もちろん欧州に渡ることはできませんので、WEB上で監視していきたいところですが。」

シンゴ「え?もしや年次改良でエンジンに手が入ったの?」

マコ「入りました。「B3154T」が最初に搭載されたXC40の3気筒エンジン。2020年モデルでは、「B3154T2」と「B3154T9」の2種類が搭載される、と、Volvo Global News Roomのテクニカルデータに記載がありました。」

シンゴ「去年の夏に出たばかりじゃない、XC40 の3気筒。何が変わったのかな。」

エイジ「ひとつは8速オートマチックトランスミッションと組み合わされたことです。2018年夏に出た時は、実はマニュアルトランスミッション専用エンジンだったんですよ。2020年モデルでは8ATとの組み合わせのほか、出力向上もみられます。」

B3154TB3154T2
volvo-engine-paformance-B3154T

MTと合わせられていたB3154T

volvo-engine-paformance-B3154T2

8ATと組み合わされるB3154T2

エイジ「具体的には、最大トルクの発生回転数が低回転側へ移動しています。同じトルク265Nmだとしても、発生回転数が500rpmほど下がっていますから出だしはスムーズでしょうね。」

シンゴ「なるほど。。。そして8速ATなら、トルクの美味しいところをうまく使っていける。ディーゼルよりは発生回転数の幅も広いから、制御もしやすいね。」

エイジ「MY2020搭載予定のB3154T2は、最大トルクの発生回転数が1,500rpm〜3,000rpm。それでいて最高出力の発生回転数は5,500rpm。つまり、高回転でもそこそこのトルクは発生させられる。一方初代は、1,800rpm〜4,000rpmで最大トルクを発生。高回転へ向かった時のトルクの落ちが大きい。XC40のマニュアル車でそこまで回転を上げる人は少ないでしょうけれど(笑)」

マコ「ボルボさん自身の味付けの特性を、よく理解している証拠です。あまり回転数を上げずに、トルクをつかってジェントルに加速していく。評価がどのようになるか、日本へ導入されるのか、いろいろ気になりますね。」

消えたマルチシリンダー

プレミアムカーの資格

volvo-engine-3cylinder

シンゴ「しかし、プレミアムカーで3気筒とはね。。。どんなに良いエンジンを作っても、3気筒は3気筒の荒さはでるだろうなあ。」

マコ「3気筒をV路に2つ並べればV6の完成ですが。。。(笑)」

シンゴ「いやぁ、ボルボはV6はしないでしょ。クラッシャブルゾーンの確保の為に、わざわざ直列6気筒を持ってきたんだから。」

エイジ「一応、気筒数はフレキシブルに変えられるエンジンのようですが。。。私は6気筒はいらないです。5気筒でいい(笑)」

シンゴ「そう思っているボルボファンは多いだろうね(笑)でも、結局”Drive-E”なんて名前までつけて、やっと直列5気筒を使わないようにしたんだ。ボルボのエンジンのイメージは完全に、直5からDrive-Eに変わった。残念ながら、5気筒以上のマルチシリンダーは無いだろうなあ。」

マコ「そう、そこなんですけどね。」

シンゴ「うん?」

マコ「クルマのイメージ戦略って大切で、以前ボルボは直列5気筒や直列6気筒を、クラッシャブルゾーン=衝突安全性確保の為、という理由をつけて販売していました。Drive-Eもその流れで、直列4気筒以下とすることでエンジンをコンパクトにする事が目的でした。」

シンゴ「そうだね。」

マコ「一方、ドイツ勢を見ればわかりますが、やはり高級車には6気筒以上のマルチシリンダーエンジンが好まれるわけです。しかしボルボはあくまで安全性をとり、4気筒にこだわったわけですよね。」

エイジ「そうですね。」

マコ「でも、本当にそうだったのでしょうか?高級感という一言、結構大事なことなのに、どうしてボルボは高級車の称号に必要な直列5気筒以上を捨てて、直4以下のDrive-Eに移行したのでしょう?

シンゴ「衝突安全性が大事だからではないの?。。。という普通の回答じゃ、ダメなわけで?」

マコ「はい、ダメなわけです(。-_-。) やはりエンジンの魅力は無くてはならないエッセンスですから、そこが知りたいのです。」

シンゴ「エイジ君、お願いします。」

エイジ「えぇえ(笑)無茶振りですよねそれ!」

シンゴ「いや、技術者目線というか。。。詳しいでしょ、そういうの。」

エイジ「他社の内情まではわかりませんよ。。。でも、つまり私の考える意見で述べることはできます。私の意見イコールボルボ、ではない事には注意してください。」

マコ「よろしくお願いします。」

5気筒の高級感は副産物

エイジ「まず。。。直列5気筒ですが、そもそもボルボが直列5気筒を作ることになったのには訳があります。直5を最初に出したタイミングは、FF車を最初に出したタイミングと重なります。つまり、ボルボ850への搭載の時に、初めて直5を搭載したのですね。」

シンゴ「この850は、かなりの表彰を受けたというよね。」

エイジ「そのようですね。今までFRこそがクルマの理想と言っていたボルボが、いきなり出したFF車。そしてエンジンは、ポルシェが開発に関与したとされる直列6気筒エンジンの、1気筒無くしたバージョンです。

衝突安全性を加味するとFF車が有利、という考えに至ったボルボは、今も昔も小さな自動車メーカーなので、開発できるエンジンは1種類しかありません。ならば6気筒を開発し、横置きに合わせて1気筒抜いてしまおう、という考えにいたった、のだろうと思います。」

マコ「今の、4気筒エンジンから1気筒無くして3気筒にするのと、同じような考え方ですか?」

エイジ「その通りです。そしてこの5気筒エンジンは、ボルボにとって都合が良かったのです。つまり、高級感が4気筒よりも多く、4気筒に比べれば1気筒多いので故障耐性も強くなる。極寒のスウェーデンでは、エンジンの気筒休止による走行不能は命に関わりますからね。」

シンゴ「都合がよかった。。。というのは、都合がつかなければ作られなかった、という事なのかな?」

エイジ「ボルボにとってFF化という都合は避けて通れませんでした。さらに、850発表前のボルボマルチシリンダーは、ルノーのV6エンジンだったと記憶しています。V6では、クラッシャブルゾーンの確保はできない訳です。つまりエンジンを自社開発しなければならなかった。あらゆる都合から直列5気筒エンジンは生まれた訳ですね。

マコ「ふうん。。。でも、これだと生まれた理由であって、その大事な直5エンジンを失う理由にはならないのではないですか?」

エイジ「そうです。。。しかし直列5気筒でなくてもいい理由が生まれます。エンジンの性能向上と、ダウンサイジングという考え方です。他に正義が生まれたのですね。」

シンゴ「こうなれば、5気筒エンジンを手放して「高級感溢れる」4気筒エンジンを作ればいい、となったんだね。5気筒よりも4気筒+ターボですよ、と。」

エイジ「私の考えですけどね(笑)しかし続きがあります。ボルボには1つ、エンジンのイメージを上げる手立てがあったのです。」

シンゴ「え?」

エイジ「5気筒の魅力は失われた。それは過去のものにできる、新しいエンジンの風。ボルボ クリーンディーゼルの登場です。」

マコ「おぉー!そう来ますか!」

外れた既定路線

volvo-engine-4cylinder

エイジ「ディーゼル需要の多い欧州で、ある程度静かな新型ディーゼルエンジンは大ウケすると考えていた事でしょう。もちろん、将来のハイブリッド化、電気自動車化は読んでいながら、開発はしていたと思います。しかし当分はクリーンディーゼルでエンジンのキャラクターをつけることができる、と踏んでいたんだと思いますよ。」

シンゴ「しかし、フォルクスワーゲンのディーゼル不正があった、と。」

エイジ「ボルボもここは誤算だったに違いありません。規模の小さなボルボにとって、ハイブリッドまで開発するのは大変。そこで、既存のプラットフォームにアドオンするだけで形になる、プラグインハイブリッドを優先して開発していた。まさかディーゼルがNGになる世の中が、こんな早く来るとは思っていなかったことでしょう。

マコ「あ。。。そうか、だから、マイルドハイブリッドの搭載はクリーンディーゼルエンジンからなんですね?」

エイジ「はい、そう見ています。ディーゼルエンジンが多く出荷されることを予想して、排ガス性能でどうしても数値が悪くなるディーゼルエンジンへ、マイルドハイブリッドを組み合わせる。これをプラグインハイブリッドの次に計画していたわけです。ガソリンエンジン用が直ぐに出ないのは、単純に開発の順番の違いでしょうね。」

シンゴ「ツジツマがあって気持ちいい(笑)」

エイジ「いや、あくまでも想像ですよ(笑)誰かに聞いたわけではありませんから。しかし、ディーゼル+マイルドハイブリッドで、ボルボの魅力あるエンジン戦略はうまく行くはずだったのですが、ディーゼル不正でダメになった。」

シンゴ「そうだね。ここからガソリン用マイルドハイブリッドが出るまで、我慢が続くね。」

マコ「とは言っても、売ってしまえばいいと思いますよ。クリーンなディーゼルなんですから、躊躇する必要ないでしょう?今でも充分に魅力ですよ。」

エイジ「そうですね。ディーゼルが魅力が無い、と日本人に言って回っているのは、他ならぬVCJですから。ボルボ本体がどんなに考え抜いてエンジン戦略を練ったところで、日本ではVCJが計画、統制してしまう。クリーンディーゼルというエンジンの魅力を下げる代わりに、何を上げるのか?販売店のわりに、そのあたりの戦略が不透明なのが気にかかりますね。」

2019年にマイルドハイブリッドは上陸するか?

XC90リア

シンゴ「まあ兎にも角にも、ボルボのエンジン群は今後、ディーゼルはマイルドハイブリッド化、ガソリンもマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドの共存へ向かうことになる。その先には電気自動車も見えていて、すでにポールスターで開発している。」

エイジ「電動化されていないエンジンは、徐々に消えていくことでしょう。むしろ、この動きを早めるべきです。自動車で大事なことは、自動運転、衝突安全性、そして環境性能の3軸が基本になります。軸を1つでも遅くしたら、大メーカーに息の根を止められるかもしれませんね。」

マコ「ひとまず2020年にはマイルドハイブリッドが出ます。その次の1年では、ガソリン用マイルドハイブリッドがしっかり出せるか?この速さが、魅力あるボルボを演出する鍵になりそうな予感です。」

シンゴ「最後に、今年マイルドハイブリッドは日本に来るの?」

エイジ「XC90は、全世界で5月末より受注できるようになる、と言っていました。XC60は先送りのようです。」

マコ「これでXC90にマイルドハイブリッドを入れてこなければ。。。」

エイジ「明らかに、日本のVCJは在庫処分係といって良いでしょう(笑)」

シンゴ「そうならない事を祈りたいね。。。」

 

私の担当しくださるセールスさんは、マイルドハイブリッドは2022年ごろになると言っていましたが、できれば嘘になってほしいところです。

エンジンの環境性能と魅力、ともに力のあるエンジン開発にボルボは力を注いでほしいなと期待したいですね。

 

今回はここまで!お読みいただき、ありがとうございました!

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