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勝手にボルボ V40の登場する小説を書いてみた その1

  • 2019年3月9日
  • 2019年3月21日
  • コラム
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ボルボが90シリーズをリリースした頃に、顧客に配布されたショートストーリー小説集を真似たものです。

幼い小説ですが、お付き合い頂けると幸いです。

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小説家が書いたカタログを読んだ

小説。皆さんも当然ご存じであろう、さまざまな人間ドラマや感動を呼び起こす、あれである。

そしてこの文章は、ボルボのブログの記事である。ボルボのことを調べにきたのに、何故小説なのか?

ボルボと小説に、接点など無いではないか。

いや、あるのだ。ボルボが90シリーズを題材に作った非売品小説。

「小説家が書いたカタログ」、がそれである。

有名な小説家が描くショートストーリーに、ナチュラルに90シリーズの機能が散りばめられている。

タッチスクリーン、インテリセーフ。ボルボが売りにしている機能である。

しかし90シリーズが故、いささか庶民からはかけ離れた描写も目立つ。娘の卒業に合わせて、奥様に内緒で本革仕様のS90(と思われる)をコッソリ買っていただなんて、我が家では怒るどころか離婚である。

猫の身体を借りて話をする祖父の話、ハンドルを離してしまうがレーンキープで助かる話はファンタジーで面白いが、別に90シリーズだけじゃなくても良いではないか。わたしの乗るV40であっても、小説の好きな人は沢山いる。

そうだ、わたしはブロガーだし、ブロガーならではの視点の小説を書いても良いのではなかろうか。「ブロガーが書いたカタログ」。安直だが悪くない。

いや、自己満足ではあるまいか?

有名小説家が描くのであれば、価値も出るだろう。しかし、無名なブロガーが書く小説など、誰が読むものか。

一度は万年筆を手にとったが、とりあえず思いつくネタもなく。今日はやめようと諦めたその時。

塾帰りの娘、美夏が帰ってきた。

「ただいまー」

中学生になって、日によっては自分よりも遅く帰ってくるようになった。働き方改革などと言うが、学生は8時間労働など優に超える時間、勉学に勤しむ。

紺色の制服にコートを着込んだ娘がリビングに入ってきた。

不意に鼻がムズムズする。

「花粉を家に入れるな!花粉娘め!」

「ひ、ひどいよーー」

小説を書こうなんて考えはふっと消え去り、可愛い娘にいつも通り絡みにいく。

そう、あくまでも、日常的ないつもの風景であった。

静かなリビング

翌日、目が覚めたがあたりは暗く、時計の短い針は真下に向かう少し前だ。

東の空が淡く明るく見える。今日は土曜日。仕事に行かない日は意外と早く起きてしまう。仕事嫌いが板についてきた。早くブログの収益だけで生活していきたいものだ。

そうは考えつつもパソコンの前に座るのは気だるくて、灯りもつけずにリビングのソファーに座る。

3月の朝はまだまだ寒く、家の中用のパーカーを着てスマホのスイッチを入れた。

我が家は4人家族だ。

ごく普通の家庭であるし、それはとても幸せなことだ。後もう少し給料が高ければなあ、なんてジョークが言えるくらいには、裕福、とまでは言わないが必要充分な収入もあった。

家族が揃っている時間は家の中は騒がしく、自分以外が寝ている土曜日の朝は、静かで、別世界のようだった。

家具は最低限しか起きたくない家内の趣味に同調して、テレビと食器棚、ソファーとローテーブルしかない我が家のリビングは、時々遊びに来る両親には殺風景と言われはするが、気に入っていた。

家具にも心があって、家具同士隣人同士の距離感を大事に考えた配置は、きっと落ち着いてそれぞれの役目を果たせることだろう。

そんな、家具も寝ている時間を楽しむ。

たまたま起きてしまだっだけだが、いつもの愉快で騒がしいリビングとは違う一面を見ることができて、楽しかった。

だから、リビングに人が入ってきた時は、正直ビックリした。娘だ。

「おはよう。早いな。お父さんが起こしてしまったか?」

「ううん」

娘は首を横に振ると、冷蔵庫の中からソーダ水を取り出して、リビングセットの私の座っている反対側のソファーに座る。

ソーダ水をチビチビ飲む姿は、小さい頃にマグカップで水を飲む姿とあまり変わらない。

「お父さん、朝早いね。ブログは順調なの?」

「いやあ、昨日は疲れて寝てしまったし、これから書こうかどうしようか、考えていたんだ。
そうなんだ。」

なんとなく素っ気なく、話すことがないからと娘が繰り出したような言葉に、素っ気なく返してしまった。

だから、もう少し言葉のキャッチボールを続ける事にした。

「ブログに興味があるの?」

「そうではないよ。。。最近いつもやってるから。」

「うん、お父さんブログでお金が稼げるようになりたいからね。」

「どれくらい稼げるの?」

「頑張ればお父さんのいまの給料くらいは行くみたいだよ。」

「お父さんの給料ってどれくらいなの?」

「んん、いくらだと思う?」

娘は少し考えている素振りを見せる。首を傾けて、アゴに手をやって。

「20万円くらい?」

「あはは、それくらいだとボルボは買えないね。」

そう言って、手でおおよその額を示す。指1本が10万円だ。流石にVマークではない。

「うわ、思ってたよりももらってるね。」

「お父さんの年だと、平均くらいかな。」

家のローンやクルマの事、食費のこと、家内がしっかりと管理していることなど、ちょっと得意げに話して聞かせる。

娘は黙ってそれを聞いていたが、学費というところで口をあけた。

「学校に行くのより、塾に行く方がお金がかかるんだね。」

「そうだね。安くはないよ。でも美夏は勉強が好きだろう?だからお金のことは気にしなくてもいいよ?」

「でも、毎月旅行に行けそうな金額だったから。塾って行ってない人も多いし。」

今年2年生にあがる娘は、学年末テストはソコソコだったと言っていた。悪くはない。でも望んだ結果ではなかったと。

中学生になり1年間、休みの日も自習にと塾へ行って頑張った。その結果に満足はしていないようだった。

「他にも何か、やりたいこと、あるか?」

「うーん、私勉強は大好きだけど、お父さんが言うような趣味って、よくわからないんだよね。」

娘は無趣味であった。いや、勉強が趣味だと言っていた。だから、進学塾も薦めたし、娘も喜んで入塾したのだ。

もしかして塾をやめたいのか?とも思ったが、そこはこちらから話すことでもないだろう。そもそも子供にお金の心配などさせてしまった、自分の話し方が悪かった。

なので、少し話題を変えてみる事にした。

「美夏、お腹空かないか?」

「え?うん、空いたね。」

「コンビニに行こうよ。朝早いコンビニなんて、レアだろう?」

うーんと考える娘を見て、一言付け足す。

「クルマで行こう。」

紅色に輝く自動車

あたりが紫色に色づき出した朝焼けの中、真っ赤なボルボV40を車庫から出す。

ボルボのパッションレッド。前の車はやはりボルボで、同じパッションレッドだった。もう10年以上この色だ。

娘も息子も、この色の車以外乗ったことはないだろう。一度好きになると、辞められなくなるのは自分のクセだ。

後部座席に乗ろうとする娘に声を掛ける。

「美夏、助手席に乗りなよ。お母さんのところ。」

「え、いいの?」

ニコッと笑って助手席に乗り込む娘を見て、こちらも笑顔になってしまう。

娘は客観的に見て、とても美人だと思う。将来彼氏を連れてきた時のことを考えると切なくなるが、将来息子が彼女を連れてきた時のことを考えて、相殺かなと考えている。

自慢の娘、息子、産んでくれた家内。全て自慢の家族である。

そして、ボルボV40も自慢のクルマだ。

室内のユーティリティや使い勝手は日本車には劣る。コンパクトな車に見えても、横幅1800mmは5ナンバー基準の我が国では、取り回しに苦労することもある。

でも、家内や子供達を乗せるのなら、このクルマが、ボルボが良かったのだ。

「お父さん、前の席気持ちいい!体が”すっぽり”椅子に入るね。羨ましいなあ。」

「時々なら乗せてあげるよ。」

「やった!」

両手で小さくガッツポーズを作る。

些細な仕草は、前の席に座ると言う些細な楽しみに対しては十分なリアクションだろう。

こちらとしても、中学生という繊細な時期に、何か小さな喜びを与えられるのであればそれこそ、やった!である。

道路へ出て、軽くアクセルを踏めばスルスルと前に出るV40は、ディーゼルエンジンを搭載していた。

4リッターエンジンに匹敵する400Nmの大トルクは、スペック的に見ればじゃじゃ馬だがそうではなく、アクセルの踏み込みに即座に反応する一体感が気持ちいい。

少し遠くのコンビニを目指して、コーナーを速度を落とさずに駆け抜ける。

「うーん、ずっと前の席に座っていたいな。後ろの席もいいんだけど、ここまで”すっぽり”しないしなあ。」

言うではないか。

「でも、お父さんカーブではスピード落とさないとね。」

言うではないか。

大人と楽しく会話できるようになった娘を誇らしげに思いながら、コンビニに到着した。かと思いきや、なんだか様子が変だ。

コンビニエンスストアには、車が突っ込んでいた。

警察車両、救急車。見物人も集まっていて、事件事故の様相だ。

これでは買い物ができない。他のコンビニに行くしかない。

「救急車がいる。大丈夫かな。」

娘は心配そうに、V40の中から店内をうかがっている。生臭い空気が脳裏によぎり、アクセルを乗せる足に力を込める。できれば、娘にはあまり見せたくない。

「心配しても・・・・もう仕方がないし、警察も救急車も来ているからこれで最善だよ。」

「そうなんだけど」

はじめて見る”死”に近い風景は、何かを感じさせているようだ。私も家内も両親は健在で、”死”に対する恐怖感はかなり少ないのだろう。

そんな中で見た早朝の事故現場だ。素直な心に小さな傷ができたかもしれない。

「いこう」

「うん」

事故現場を後にする。

世界は紫色から、朝の輝く景色へと変わっていた。自分にも娘にも、心にすこし”しこり”を残して。

ーーーつづく

ボルボ 小説家が書いたカタログとは

ボルボディーラーへクルマの点検に行った時に、お暇ならと預かったのが、「小説家が書いたカタログ」でした。ストックはかなりあるようで、読み切れないと言ったら持ち帰ってどうぞと、いただくことになりました。

さすが、カタログ(^^)

この小説を作った訳は、「ボルボ文庫」が言うには以下のようです。

クルマには写真やスペックだけでは伝え切れないものがある。

ボルボ最新の90シリーズモデルからインスピレーションを得て紡がれる物語が、クルマの不可視で情緒的な価値を行源する、日本を代表する作家陣による短編小説集。

作家陣は、鈴木光司(リング)、馳星周(不夜城)、谷村志穂(結婚しないかもしれない症候群)、新野剛志(八月のマルクス)、村山由佳(星々の舟)の5名。しっかり名の売れた作家陣に書いてもらった、なかなか面白い企画です。

私が知らないだけかもしれませんが、このカタログは90シリーズをモチーフに作られたもので、40シリーズ、60シリーズはまったく出てきません。

もちろん、内装や先進安全装備「インテリセーフ」などの表記は60シリーズやXC40にも通ずるので、楽しく読むこともできなくもありません。

しかし、創作小説内でも書きました通り、90シリーズを購入する裕福層がターゲットのようで、多少感覚が違うな、というのが正直なところでした。

そこで、かねてから小説を書いてみたいな、と考えていたことも重なり、この度V40の登場する小説を執筆してみたのです。

小説は物語であり(違うとも言われますが、おおすじで。)どちらかと言えば報道寄りの我がaboutVOLVOの記事として、相応しくないかもしれません。

楽しんでいただけない可能性も重々承知しております。

しかし、ブログという趣味をどこまで広げられるのか?という挑戦と、判断はいつも読み手側にある、という期待を込めて、この度の投稿となりました。

みなさまのご反応によって、つまり今回の作品の「つづき」を投稿した際の反応を見て、このブログ内での発表を続けるか、別のサイトに投稿するか、判断したいと考えています。

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