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ボルボ論 捨ててはならない準プレミアムの価値

優秀な安全装備と美しいボディデザイン。2019年現在、ボルボは日本でも販売台数を上げ続け、年間2万台販売まであと少しというところです。

販売台数の増加の鍵は、車の品質の上昇です。近年発表されるボルボは、多くの開発資金によって目覚ましい品質の上昇が見られます。しかし、ボルボ・カー・ジャパン(VCJ)とそのトップ、木村社長は、それは自分のおかげだと自らを褒め称えます。

ボルボのプレミアム化。これは本当に必要なことなのでしょうか。

コラム「ボルボ論 捨ててはならない準プレミアムの価値」。今回はプレミアムの定義をまとめながら、ボルボにとってのプレミアムは何を目指すべきなのか、考えてみます。

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プレミアムカーの定義

メルセデスベンツA200d
プレミアムカーの代表格 メルセデスベンツ出典:メルセデスベンツ

プレミアムという言葉。これはナカナカに難しいです。

というのは、プレミアムとう言葉は様々なことに使用されていて、意味もマチマチだからです。

プレミアつきジュース(おまけ)

プレミアムフライデー(特別な)

プレミアがついたチケット(広義に割増)

他にも様々ありますが、プレミアムという言葉は世間では曖昧に使われているわけです。ちなみにGoogle翻訳で「Premium」と入力すると、日本語訳は「プレミアム」、その逆も同じです。

しかしこの中でひとつ、ぴったりとくる意味があります。「特別」です。「プレミアムカー」は特別な車、と解くのが最もな最適解でしょうか。

はたまた、私自身がプレミアムを理解していない可能性も・・・・まあそこは置いておきましょうか。

特別なクルマ

ボルボ フローティングコンソール
北欧チェアーのようなコンソールパネル
出典:Volvo Car Group Global Media Newsroom

「特別な車」とは何でしょう?

 

特殊な車?

何かに長けた車?

標準以上の性能の車?

希少な車?

 

どれでしょうか。

これは、どれも該当しそうですね。何せ特別ですから。特別とは、普段とは違う何かを表す言葉。普通では手に入れられないものを指す言葉です。

「プレミアム」=「高額」なんじゃない?という話もあります。これは正解のようで、正解ではないと考えます。

そもそも車とは、道路の上を走れれば良い。エンジン、シート、最低限必要なパーツだけでも、車本来の目的「移動すること」は達成されます。しかしこの「移動すること」を楽しむ為には、良いエンジンであったり、良いシートが乗っている事が必要になります。それぞれの特性に、標準以上の特別が必要なのですね。

すると、このちょっとした「特別」は、本来車には必要ないもの、贅沢の為にプラスするものと言えます。つまり、付加価値ですね。エンジンもシートもサスペンションもエアコンも、本革もシートヒーターも安全装備でさえも、付加価値です。

付加価値のついた車はその分、高額になります。よって、プレミアム=高額と言えなくもないのですが、付加価値が付いているからこそ高額になるので、プレミアム=付加価値と定義します。

付加価値の付いているクルマ

では、車で言う付加価値とは何でしょうか。

まずは性能です。エンジンで言えば、NAエンジンよりターボがいいし、ハイブリッドも嬉しい。クリーンディーゼルもいいし、プラグインハイブリッドも良い。まさにエンジンに対する付加価値です。

サスペンションは、本来なら荷物が壊れない程度、身体が痛くない程度のサスペンションでいいのですが、ゴツゴツを感じないクッションのようなサスペンションがいいし、踏ん張りの効くスポーツサスペンションもいい。これも付加価値です。

そう考えると、性能の高い車は付加価値がたくさん付いていると言えるでしょう。すると高性能な車ほど、プレミアムカーなのでしょうか?

これは違いますよね。

例えば、スバルフォレスターは高性能です。他社では手に入らないシンメトリカルAWD、ボクサーエンジンを積んだSUV。付加価値だらけですが、プレミアムカーではありません。

他に何が必要でしょうか?

ボルボの付加価値のひとつは?

VOLVO V60 CrossCountry サイド
大きなアルミホイールのおかげで腰高感のないスタイリッシュなデザイン

ボルボ乗りにはもう分かっていますよね。性能ではない付加価値。

それはデザイン。ボルボの美しいデザインは、日本車の太刀打ちできない付加価値です。

私が一言で表現するなら、ボルボのデザインの真髄は「飽きのこない美しさ」です。

人は刺激を欲する生き物です。ただ食事をして寝るだけの毎日では、飽きて死んでしまいます。だからこそ、考え、工夫し、自分の人生を良いものにしようと努力するのです。その努力の途中には様々な困難が待ち構えていますが、ひとつひとつを乗り越えることで成長し、地位や名声までもを手に入れます。

この困難に関わる苦悩や、打ち勝った時の喜びをマルッとまとめて、私は刺激と定義しました。こんな生き物、人間以外には居ないのです。

話が脱線気味でしたが、ボルボの飽きのこない美しさは、刺激の管理がとても上手です。今のボルボのデザインは、ショルダーラインとアンダーのエッジ以外は、面の抑揚でできています。これは歪みではありません。簡単に言えば女性の身体。人間が女性の身体に美を感じるのと同じく、車体デザインにも美しく見えるセオリーがあります。そこを突き詰めたボルボのデザインは、いつまで見ていても飽きない女性のボディラインのように、飽きが来ないのです。

これは、ボルボならではの付加価値としか言いようがありません。

掛け替えのない付加価値は、「魅力」という言葉に変化します。魅力への対価は、果てしない。

多くの付加価値をつけたクルマ

BMW 3シリーズ
出典:BMW JAPAN

すると、例えばメルセデスベンツやBMW、アウディは、付加価値だらけなのでしょうか?

そうです。付加価値だらけです。

過去のデザインを継承し、見る人全てがわかるアイデンティティ。

日本では不要な、時速200km/hをもしっかりと走れる性能。

シルキーシックス、縦置きFFやクアトロ、AMG。他社の持つことのできないこだわりという魅力。

わざわざ遠い外国から取り寄せるというこだわり、贅沢。

これらの付加価値をすべて手中に収めたと言う所有感、優越感。

それを手に入れられる経済力、威厳。

所有することでの周りからの目。あの人は成功者だと認められると言う事。

 

全てを満たすクルマ、魅力の多いクルマ。これを「プレミアムカー」という、と私は考えています。

 

準プレミアムカーとは

2008年発行 瑛出版社 北欧スタイル No15

では、準プレミアムとは何をさしていたのでしょう。

「準」とは、「次」の意味があります。2番目。プレミアムカーの次のエリア、これが準プレミアムです。

世間では「プレミアム」と思われていない。ということは、プレミアムから何か欠けている、と考える事ができますよね。何か足りないから、プレミアムでは無い。

「あぁ、ボルボかあ。ボルボはプレミアムじゃないよね。だって○○○だからさ。」ここに抜けている言葉です。

クラウンはプレミアムカーにはなれない

もう少し分かりやすい例にしましょう。

トヨタクラウンです(すいません汗)。

トヨタのクラウンは素晴らしいクルマです。古くから日本にあり、極上の乗り心地と「トップオブトヨタ」を掲げる、名誉あるクルマです。性能だって、V6エンジンなんて乗せちゃって加速だってばっちり。そのエンジンに見合うボディ剛性もサスペンションも持ち合わせています。

でもプレミアムではありません。なぜ?

それは、こだわる必要がない高性能だからです。「いつかはクラウン」。そう言って沢山の人々がクラウンを手に入れました。クラウンを持つという事が目的になってしまい、クラウンというクルマの性能や魅力が霞んでしまいました。

すると、拘ってクラウンに乗る、という人は現れません。どこででも見る事ができるクラウンに、魅力を感じる人は少ないでしょう。

スバルはプレミアムになれるはずだった

レガシィのフロント
5ナンバーの壁を破ったレガシィはデザインで挽回するが・・・

こだわりの性能といえば、日本で言えばスバルです。

先ほどはフォレスターを出して、プレミアムカーではないと言いました。オンリーワンになりきれなかったからです。しかしレガシィは違いました。今から30年前、スバルレガシィはスポーツできるワゴン車としてデビュー。レガシィブームを巻き起こします。

日産はステージア、トヨタはマーク2ブリットなど、数々のライバル車が登場しますが、レガシィの魅力には敵いませんでした。VTD-AWD、280psボクサーエンジン、ビルシュタインサスペンション。そして5ナンバー。この4つでレガシィは日本のポルシェになったのです。

ところが、自ら5ナンバーボディは諦めてしまいます。時代のせいだとも言えますが、こだわりが消えると魅力は崩れていきます。

相対的に他者との実力差の薄くなったAWD、燃費の良くならないボクサーエンジン。そもそもオプションで手に入れられるビルシュタインダンパー。実は様々な高機能を1つにまとめ上げた優秀なパッケージングでの勝負だったはずなのに、落ちていく性能の手当てができず、さらに高級化を目指して大柄ボディになったのがトドメ。自らの方向性を失ったレガシィは日本では販売終息の憂き目にあいました。

あの時、リアにロングストローク化したボクサー4、荷物なんて詰めなくても構わないというパッケージング、ポルシェパナメーラはスバルが作ればよかった・・(あれはFRですけどね。あくまで私見です。)

そうすれば、インプレッサも軽自動車R2も生きたはずなのに。(私見です)

ボルボは準プレミアムであるべきか

V50と高ソメキャンプ場
デザイン・パッケージング・価格と三拍子そろったV50

ボルボのプレミアム化は、メーカー主導である程度行なっているところもあります。

高品質化や最高のデザインは魅力的で、特別であり高い付加価値がつき、プレミアムが見えている言えるでしょう。北欧の研ぎ澄まされた技術者達が、いまのボルボを作り上げました。製品の実力が上がったおかげで、XC40、XC60、V60は受注の嵐です。

取捨選択もうまい。5気筒エンジンはボルボの特徴の1つでしたが、新しい魅力のDrive-e 4気筒ターボエンジンへリフレッシュ。ボルボをより良いクルマへと押し上げます。

角ばったボディは頑丈で安全なクルマを作るため。しかし先進安全装備と適切なクラッシャブルゾーンにデザインをミックスして磨き上げたボディへと変貌。これもボルボの株をあげました。

しかし、たぶんVCJは忘れているでしょう、奪ってはいけない、準プレミアムでなくてはならない「理由」があります。それは。

“わざわざ選んだ準プレミアム”からの脱却

「世界一のファミリーカー」の称号を捨ててはならないこと、そして「威厳」は必要がないことです。

ボルボを選ぶ人は、メルセデスやBMWのような「威厳」を必要としない人がいます。私もそうですが、人に見せびらかして楽しむのではなく、自分でこだわり、自分で楽しむ。ボルボという製品を愛したいから購入する。

むしろ、「威厳」が欲しくないからボルボにする人もいるでしょう。あまり有名ではない、でも性能はなかなか良い。このようなクルマが欲しい人がいるのです。

もちろん、フラッグシップに「威厳」はあっても構わないでしょう。しかしボルボのフラッグシップは7人乗りのXC90。ファミリーカーを突き詰めた形なのですね。

先ほど私が述べた、プレミアムカーに必要なこと、そのうちの1つをワザと欠かして輝いていた、独特のアイデンティティ。これが、私の求める、私が大好きな準プレミアムのボルボです。

利益の為と高額化を図るVCJには見えていないことでしょう。

そして高価になったボルボからは、「世界一のファミリーカー」の称号が抜け落ちます。少なくとも、日本では消えてしまいます。子育て世代にこそ乗って欲しいボルボ、毎月一人5万円の塾代を支払い、それでもなんとか手に届くはずだったボルボが、今はもうありません。

スウェーデン本社はわかっている

日本のボルボは子供に優しいか?

ボルボ自体は高収益化の為、確かに良い製品を作っています。

しかし、ファミリーカーを忘れてはいません。XC40にはT2、T3モデルがあります。V60もT4モデルがあります。エンジン出力よりも安全装備が欲しいという世界の要望に、ボルボ本社は応えています。

これらのモデルを、プレミアム化だと言い張り輸入しないのは日本法人、ボルボ・カー・ジャパンです。

でも考えてみてください。あなたにとって最高のクルマ、それがあなたのプレミアムカーです。高性能ではなくてもいい、自分で考えてこだわって選んだ、欲しくて仕方なかったボルボには、性能へのコダワリも海外からの調達も、所有感もあるはずです。抜け落ちた「威厳」など、ボルボには必要のない要素。そうとわかっていれば、ボルボは貴方にとって最高のプレミアムカーと成り得るのです。

だからこそ、安いエンジンでもkineticグレードでも、ボルボは輝けるはずなのです。

しかし彼らは利益しか考えません。今までの流れとこれからの成功の為の、ストーリーを考えていない。ボルボが買えないことなど、貧乏人の負け惜しみと笑うことでしょう。将来買い続けてくれるはずの若い顧客層を自ら捨てている。それが自らの足元を揺るがしていることに、気付くはずもなく。

ご参考

VOLVO V60 MY2015 価格

グレード名価格
VOLVO V60 T4¥4,150,000
VOLVO V60 T4 SE¥4,500,000
VOLVO V60 T5 SE¥4,750,000
VOLVO V60 T4 R-Design¥5,150,000
VOLVO V60 T5 R-Design¥5,400,000
VOLVO V60 T6 AWD¥5,850,000
VOLVO V60 T6 AWD R-Design¥6,650,000

この価格でもちろん、インテリセーフ10は標準装備です。T5エンジンは245ps/350Nmを発揮し、燃費は14.4km/L。売れ筋モデルは環境へも配慮。

代表的なオプション装備

オプション名価格
レザーパッケージ¥260,000
ファミリーパッケージ¥42,000

レザーパッケージは本革シートへ変更

ファミリーパッケージはインテグレーテッドチャイルドクッションを装着でき、全モデルへ装着可能です。(現行V60には海外も含めて設定されていません。)

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