ボルボ提携会社の今昔 ZoomZoomのマツダの役割

特集
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第2弾は、これまたフォードグループ所属の時にお世話になっていた、我らが日本のロータリーの誇り、マツダです。

マツダといえば、ロータリーエンジンって思うでしょう。

それは間違っていないとは思いますが、どちらかといえば真面目な技術屋というほうが正しいでしょう。

だからこそ、ロータリーエンジンを実用化できたし、今のトヨタの小型プラットフォームを任されている会社なのです。(一部ですが)

これが広島県人の気質なのかどうかはわかりませんし、ミスター赤ヘルへ通ずる何かなのかなんて、いまの科学をもってしてもわからないでしょう。

しかし、マツダは確かにそこにいて、与えられた仕事をしっかりとこなす、技術者集団なのです。

商売の失敗からフォード資本へ

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フォードの資本提携は、どちらかと言えば銀行主導のよるものでした。

ロータリーエンジンは排ガスの規制にこそ逃れたものの、燃費が悪いと米国で酷評され、全く売れなくなってしまいました。

当時ロータリーエンジンさえあれば、トヨタや日産に勝てると奢っていたマツダ。

ロータリーエンジンの工場増築の方針が裏目になり、大きな赤字を計上します。

フォーティ
フォーティ

当時のマツダはロータリーエンジン一色だったのですね。

そこで国内の有力自動車メーカーへの資本提携を模索しますが、財政にケチのついたマツダとの提携は思うよにすすみません。

どの会社とも提携が難しいと、暗礁に乗りかけたその時、マツダを救ったのはフォードでした。

フォードは日本での販売会社を有効活用して、自社のクルマを販売することができるとして、マツダを救うことを決めたのです。

二度目の失敗

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再建のはじまったマツダは、RX-7やファミリアの大ヒットをうけて立ち直ります。

その発売されるカペラも大ヒット。7期連続の増収増益となり、その勢いにのってアメリカ現地での生産を開始します。

シクス
シクス

あれ、この流れ、さっきも読んだような。。。

さらに、国内ではバブル景気が押し寄せていて、空前の好景気。マツダは5チャンネル体制へ移行し、さらなる販売増を目論みます。

しかし、みなさんご存知の通りバブルは崩壊。多チャンネルを維持するために作った工場という重荷や、円高という(当時1ドル70円を切りましたね)ダブルパンチが効いて、マツダは再び窮地に陥ります。

自社単独では復帰は難しいと判断したマツダ首脳。フォードの世界戦略の一部を担ない、実質取り込まれるほか無いと、さらに強い資本提携に踏みりきます。

フォードは資本比率を30%台へあげ、経営者を送り込み、マツダの再建に取り組みます。

ボルボとの連携はフォードのチカラ

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さて、これからがボルボとマツダの関係の話です。

小型車の開発に秀でていた、というより、日本市場の自動車は長らくつづいた5ナンバー時代(全幅1,695cm)のおかげで、世界にくらべて小さいクルマを作るのが上手だった日本のメーカー。

マツダも同じくで、フォードはマツダの小型車開発能力を高く評価。フォードの小型プラットフォームの開発に参加を打診。

時を同じくして、高級チャンネルとして期待されて買収されたボルボは、すでにS40/V40という小型車を持っていました。

オランダのネッドカー戦略で三菱/オランダと共同出資して作られた工場で、ボルボは440/460/480と、S40/V40を生産。

しかし、1999年にフォード資本になったボルボは、このネッドカー合併会社から離脱。

次期S40/V40用にと、フォードC1プラットフォーム開発に参加します。

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共通プラットフォームの開発

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フォード、マツダ、そしてボルボの3社によるプラットフォーム開発が始まりました。

しかしそもそもマツダは大衆車を主たるターゲットにしています。反対にボルボは、PAGに所属する通り高級車を主な販売としていました。

フォード、マツダ、ボルボがお互いのクルマの持ち味をできるだけ妥協せずに、統一プラットフォームを開発するには、いくつもの困難があります。

例えば、ボルボは横置き2.4リッター5気筒エンジン、リアマルチリンクサスペンションが必須です。一方マツダは、1.5リッター4気筒エンジン、リアはストラットサスペンションで良かったはずです。

この困難な開発に、とくにマツダの技術は大きく貢献したと言われています。

フォーティ
フォーティ

ロータリーエンジンを開発したマツダの技術力はさすがです!

シクス
シクス

リアサスペンションの基本はフォード製。でも設計はマツダの力が大きいそうですよ。

さらに、当然この3社の母国語は違うので、意思の疎通も困難を極めました。

結局ドイツのケルンで、3社30名の技術者が2年の歳月をつぎ込み、フォードC1プラットフォームを開発します。

大成功だった資本提携

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結果としてマツダは、このプラットフォームを使い「アクセラ」を発売。1.5リッター級ながらリアマルチリンクサスペンションを装備した、贅沢な足回りをもつ大衆車として発売します。

さらに、コンパクトクラスでありながら3ナンバー化。大きなコンパクトカーの先陣を切りました。

ボルボはといえば、S40/V50にこのプラットフォームを使います。そのどっしりした乗り心地は正にボルボのもの。

しかしこの安定した走り味、挙動は、同じプラットフォーム車らしく似た味付け、揺れ方を示します。

部品点数の60%を共通化しているので、ベースの動きは似たものになるのでしょう。ただ、アクセラは出力も車重も少ないので、動きに余裕のある軽快感がありました。

アクセラは米国で50万台、ボルボもV50も世界で50万台を生産し、このプログラムは成功。

さらにフォードはフォーカスを開発。このフォーカスに搭載されるエンジンは、マツダやボルボのエンジンも搭載されました。

フォーティ
フォーティ

使えるものは使う、アメリカ式の合理主義に感服です!

同年代の小型DOHCエンジンはマツダのもの、フォーカスST用5気筒ハイパフォーマンスエンジンはボルボのものです。

フォードは見事に共通プラットフォームを開発し、グループ会社に貢献したのでした。

次世代はどうなるマツダ

出典:マツダ http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/

しかし、アメリカもリーマンショクに始まる金融危機に直面すると、フォードはマツダ、ボルボの株を売却します。

結局マツダの株は2015年に全てフォードの手を離れ、ハイブリッド技術を核にトヨタとの連携に入りますが、この連携がうまく動いたことも、マツダのしっかりとした新型プラットフォームの開発や、スカイアクティブテクノロジーの開発力が買われたからに違いありません。

ただ、振り返ってみればわかる通り、商売は根本的には上手くないマツダ。世界から高い評価を受けている現在も、気を緩めることはできないことでしょう。

一方ボルボも単独でのプラットフォーム開発に成功。ボルボCMAプラットフォームは吉利汽車も使い、価格競争にも強い体力を身につけつつあります。

一度のプラットフォーム開発でしか協業のないボルボ、マツダですが、フォードとの資本提携解消後の動きが似ている両社。今後も目が離せませんね。

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