ボルボと自動車とエネルギー T4モデルにラブコール

ボルボ(VCJ)は環境問題を本当に考えているのか?どのようにすれば日本のボルボの燃費が改善されるのかを、aboutVOLVOが提案します。

環境問題が無視できない昨今、自動車メーカーは燃費や排ガス規制など多くの問題に取り組んでいます。

いままでは燃費が良ければ良い、排ガスがクリーンであれば良いと、ひとつひとつの機能を重視されてきましたが、最近では自動車の原料、製造過程などで排出されるCO2など、自動車そのもの自体が作成されるときの環境負荷も考えられ始めています。

自動車の製造、走行では必ず発生するCO2。環境負荷は必ず発生しますが、私たち人類は自動車がなければ生活できないほどに依存しています。

そんな私たちにできることは何か。「ボルボと自動車とエネルギー」今回はボルボのエンジンラインナップのうち、日本に導入されていない環境エンジンにスポットを当てていきましょう。

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ボルボの高額ラインナップ

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ボルボの素晴らしいDrive-Eエンジン

ボルボのエンジンラインナップは、T2、T3の1.5リッター4気筒エンジン、T4、T5、T6の2リッターガソリンエンジン、T6 TwinEngine / T8 TwinEngineのプラグインハイブリッド、D3、D4、D5のディーゼルエンジン、そしてB4、B5のディーゼルマイルドハイブリッドエンジンが用意されています。

このうち日本に導入されていないのは、ディーゼルのD3、出たばかりのマイルドハイブリッドB4、B5です。

日本へは環境対応エンジンは普及価格帯にラインナップされていない

どのエンジンも環境負荷の少ない優しいエンジンですが、ボルボ・カー・ジャパンの施策のおかげで導入されていません。輸入車メーカー各社が多数のモデルをラインナップするディーゼルエンジンには将来がないと考えており、電動化を優先しているからです。

ならば、環境負荷の高いガソリンエンジン車しか選べないのかといえばそうではないのですが、ボルボ・カー・ジャパンの提案は高価なプラグインハイブリッド。最低価格650万円(V60 T6 TwinEngine)からという、燃料電池車のトヨタミライもびっくりする価格なのです。

トヨタミライは本体価格720万円に対して、クリーンディーゼル補助金が220万円交付。ボルボV60 T6 TwinEngineは本体価格650万円に対してクリーンディーゼル補助金が20万円交付。

2019年6月現在の補助金額 参考:一般社団法人次世代自動車振興センター

充電環境においても、所持金にしても、だれもがプラグインハイブリッド車に乗れるわけではないのは明白です。本来であれば、自動車業界の発展を考えれば環境対応エンジンを量販帯で販売するべきで、トヨタのプリウスや日産リーフなど、誰にでも手が届く環境対応自動車を用意する責任があります。

残念ながらボルボ・カー・ジャパンにはその意識は無いようで、自社のラインナップが高価であればよい、と考えているようです。

メーカー側は用意している

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環境型エンジンは3気筒から用意

ところで欧州が主な販売マーケットであるボルボは、欧州排ガス規制に対応する必要があることと、お膝元スウェーデンでの一般大衆車メーカーという地位であることを踏まえ、価格の安価で環境に優しいエンジンをラインナップしています。

例えば、日本に導入されていないが環境に優しいエンジンは次の通りです。

エンジンモデル名主な仕様搭載車種
T21.5リッター3気筒XC40
T31.5リッター3気筒XC40
D32リッター4気筒 ディーゼルV40 XC40 V60 V60cc XC60 S90 V90
T42リッター4気筒S60 V60 S90 V90
D42リッター4気筒環境ディーゼルXC40 V60 V60cc S90
B42リッター4気筒ディーゼルMHVXC60 XC90
B52リッター4気筒ディーゼルMHVXC60 XC90
D52リッター4気筒環境ディーゼルS90 V90 V90cc

ディーゼルのD3、もとは日本へも輸入しており、いまはXC60、V90にのみラインナップされているD4など、燃費にもCO2削減効果にも役立つエンジンは導入せず。マイルドハイブリッドのB4/B5も、期待されていたXC60には導入されず、といった具合です。

このままでは本当に、環境を考えない自動車メーカーという悪名がつきそうです。そこで、aboutVOLVOは提案します。

(今回はボルボのディーゼルNo戦略へはあえて突っ込みません。他の記事でも充分つっこんでいるので!)

乗用車としての静音性能を尊重しつつも、しっかり環境型エンジンがあることがわかります。そいつを日本へ導入すればよいのです。それは、XC40に搭載されている「T4」モデルのモデルラインナップ拡大です。

VOLVO T4 モデル

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T4モデルも素晴らしいXC40

ボルボ T4用エンジンは、190ps / 300Nm を発揮する、なかなかの実力者。

約1,400rpm付近から4,000rpmまでを、300Nmのフラットトルクで支えてくれます。300Nmといえば、昔の3リッターエンジン並みの性能です。重量級のXC90を除いては、どのモデルにも似合うスタンダートエンジンですね。

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※エンジン性能曲線は、テクニカルデータで表記されているエンジン「B4204T47」の数値を基に、aboutVOLVOの独自研究に基づいて作成しています。パワーの表記はkWです。

ちなみにXC90は前のモデルで、4リッターV8エンジンを搭載していましたから、やはり300Nmでは役不足なのかも。

それはさておき、T5エンジンがボトムラインのクルマにT4エンジンを搭載すると、様々なメリットが考えられます。

燃費がよくなる

T5エンジンより出力を抑えたT4エンジンは、当然燃費がよくなります。

もちろんあまり出力を抑えたエンジンを搭載してしまうと、踏み込み量が多くなり逆に燃費が落ちる事も考えられますが、そもそも300Nmもありますからその心配はないでしょう。例えばT4 / T5のどちらも選べるXC40の場合、燃費はこれだけ変わってきます。

XC40T4T4 AWDT5 AWD
JC08モード燃費(km/L)13.613.212.4
重量(kg)161016701690
0 – 100km/h到達時間8.48.56.5

同じAWDで比べた場合、重量差は20kg、燃費差は0.8km/L。現代は省エネ時代。燃費は良い方がいい。

もちろん、50Nm大きいトルクを持つT5エンジンのほうが、よりエンジンレスポンスや踏み込み量に対しての押し出しの強さは感じる事でしょう。100km/h到達時間はさすがのT5。T4に2秒近い差をつけています。

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※エンジン性能曲線は、テクニカルデータで表記されているエンジン「B4204T14」の数値を基に、aboutVOLVOの独自研究に基づいて作成しています。パワーの表記はkWです。

こちらはT5用エンジンの性能曲線。T4の最大トルク300Nmを発生させるのに、1,500rpm〜1,600rpm付近をさしています。T4エンジンは1,400rpmから最大トルクを発生。回転数の低いところでは多少T4が優位になるので、街中での走行はT4のほうが走りやすそう。

高速道路で爆速スタートを決めるのでなければ、あまり大きな性能差ではないでしょうね。

価格が安くなる

エンジンのチューニングしか違いませんので、仕入れ価格にどれくらい差があるのかはわかりませんが、定価ベースでは50万円の差があるXC40のT4、T5。

XC40(Inscription)T4 AWDT5 AWD
価格(税込)¥5,090,000¥5,590,000

税抜きだと46万円の差となりますが、もしもSPAモデルにT4が出現すると、税込50万円下がったモデルが出現することになります。

燃費がよくてお財布にも優しいT4モデルは、ぜひ導入してほしいモデルです。

T4モデル輸入への障害

もともとT4というモデルは、旧V60やV70へも搭載される、ボトムレンジのエンジンでした。1.6リッター直列4気筒エンジン、180ps/240Nmと、今のT4モデルよりも出力が落ちるこのエンジンは、Drive-Eへの切り替わりで姿を消しました。

しかし現在では「B4204T31」の名前で復活。欧州ではS60、V60、S90、V90にも搭載され、扱いやすく環境に配慮したエンジンとしてボトムレンジをカバーしています。

volvo-engine-paformance-B4204T31

※エンジン性能曲線は、テクニカルデータで表記されているエンジン「B4204T31」の数値を基に、aboutVOLVOの独自研究に基づいて作成しています。パワーの表記はkWです。

実はこのSPAプラットフォーム用T4エンジンは、様々な理由で輸入がされないでいるエンジンなのです。

初年度にはラインナップされない

メーカーとしても、車のイメージ戦略は重要なのでしょう。

2017年登場のS90/V90は、T4エンジンがラインナップされていません。ラインナップは2018年からです。その1年間は、ディーゼルのD3モデルがボトムレンジを担当していました。新世代のT4エンジンの登場が2018年のV90からですから、XC40用T4エンジンの開発もあって登場が遅れていたようです。

しかし、V60も2020年から正式公開されたところを見ると、実用的なT4モデルは発売後1年経過してから搭載する方針のようです。

グレードの立ち位置があやふやに

日本ではV70の後継車種として販売されたV90ですが、その後発売されるV60の仕様を考えて、輸入しない方針になった可能性があります。

それは、SPAプラットフォームのボトムレンジを担当するV60に当初T4モデルが無いのにも関わらず、V90にはT4モデルがある、というと、当然V60にもT4を出して欲しいという要望があがるからです。

日本で輸入車の購入を検討する人全てが、わざわざ欧州のWEBサイトをチェックするわけではありません。知らない人が多い間は、当面はV90ではT5エンジンでやり過ごし、V60が出てから考えれば良いと考えたのかもしれませんね。

安い車なんて嫌だ嫌だのVCJ

自社のラインナップをより高い方に持っていきたいボルボ・カー・ジャパンは、あえてT4モデルを導入しない可能性があります。

V60にしても、本来ならば500万円以上で設定したかった。しかし旧V60は400万円前半からラインナップがあったわけです。いきなり500万円は見た目に悪い。そこで499万円からの値付けとしながら、レザーパッケージで+40万円とし、実際には539万円からの値付けとしていたのです。

プレミアムメーカーを目指すボルボ・カー・ジャパンですが、ユーザーファーストなど考えていないのが現状です。安全装備を普及価格帯で販売し、少しでも交通事故被害者を少なくしよう、なんて考えはどこにもありません。

インテリジェントで無くなったボルボ

XC40 Car of the Year 受賞
出典:Volvo car japan

という事で、T4がラインナップされるかどうかは微妙な情勢ですが、環境問題を考えれば導入されるべきエンジンです。

本来であればディーゼルエンジン搭載モデルの拡充を期待したいところですが、マイルドハイブリッドディーゼルの普及も考えて、あえて保留している可能性もあります。ですがガソリンモデルが欲しい人へは、環境対応型ガソリンエンジン車を提供するべきです。

  • サルーン型のS60/V60/S90/V90へは、回転のスマートなT4のラインナップ
  • 走破性が売りのXC40/V60cc/V90ccへは、エンジンの主張するD4(またはB4)のラインナップ

この2つを決断するだけで、日本のボルボを購入検討する人は2倍以上に膨れ上がります。しかも二酸化炭素排出量も減らすことができるのです。

プレミアム化は、誰が望んでいるのでしょう。自社の利益を優先的に考えているボルボ・カー・ジャパンだけなのではないでしょうか。

T4エンジンを導入することによるのメリット

高速道路の渋滞を示すV40のナビ画面
燃費がよければ渋滞もへっちゃら

最後に、もしもT4エンジンが導入された場合のメリットをお話しします。

V60や、今年の秋に発売が予定されているS60のラインナップとして、T4エンジンを希望する人は多いでしょう。価格の安いこともそうですが、現行V60は決して燃費のいいクルマでは無いからです。

潜在顧客の発掘にも結びつきそうです。大型サルーンでは燃費15km/L以上が普通になりつつある今、12.6km/Lというのはいただけません。

主なモデル・グレード燃費
VOLVO V60 T5254ps/350Nm JC08 12.6km/L
VOLVO V90 T5254ps/350Nm JC08 13.1km/L
トヨタクラウン 2.5RS184ps/221Nm WTLC 20.0km/L
メルセデスベンツCクラスステーションワゴン C180 1.6L AVANTGARDE156ps/250Nm JC08 14.1km/L
メルセデスベンツCクラスステーションワゴン C220d 2.0L AVANTGARDE194ps/400Nm JC08 18.9km/L
BMW 3シリーズツーリング 320i184ps/270Nm JC08 15.4km/L
BMW 3シリーズツーリング 320d190ps/400Nm JC08 21.4km/L

実はエンジン出力は欧州勢より高いです。すべて200psを下回っています。ボルボのT5は250hp。つまり、日本ではちょっと大きすぎるのですね。今は高出力ではなく、エンジンの扱いやすさと燃費の両立が必要です。例えばV60/V90ともにT4エンジンがラインナップされたとすると。

主なモデル・グレード燃費
VOLVO V60 T4190ps/300Nm JC08 13.4km/L
VOLVO V90 T4190ps/300Nm JC08 13.9km/L

190ps/300Nmのエンジンを搭載して、なかなか見栄えのよい燃費にあがりました。(単純に9.8km/L足し算しました 汗)

 

欧州車はすでにハイパワーを求めているわけでは無く、実用的なトルクと省エネ性能を考え、インテリジェンスに事を進めています。

ボルボ・カー・ジャパンがハイパワーで高価格=プレミアムという考えを捨てること、これこそがプレミアム化の第一歩であると言えます。その時はじめて、日本でのボルボの環境対策は始まるのです。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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