ボルボのディーゼル戦略 最新事情を追う

ボルボのディーゼルエンジンモデル「D4」は、とてもパワフルかつ燃費のよいモデルです。

アクセルを踏み込めば容赦ない加速を味わえ、でも燃費はよくってV40CrossCountryではJC08モードで21.2km/Lのすぐれもの。

新車として購入するときだけでなく、中古車でも狙っている人は多いのではないのでしょうか。

さて、そのディーゼルですが、ここ最近の新モデル、XC40やV60の搭載モデルの日本への導入は見送られました。その理由について、巷の噂をあつめてみました。

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尿素SCRシステムへの対応で数が出せない

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現在のボルボのディーゼルラインナップは、V40、S60、XC60、V90の4車種。このうち、XC60とV90はモデルチェンジをしてから少しして、ディーゼルエンジンモデルが導入されました。

つまり、当初ディーゼルを設定していなくても、後から追加される事はあるという事ですね。

ただこの2車種(XC60とV90)は、あまり販売数を稼げる車種ではありません。理由は高価であること、サイズが大きいこと。

ボルボはディーゼルエンジンに尿素SCRシステムを搭載することになり、そのおかげでディーゼルエンジンの供給が追いつかない、という情報が流れています。

尿素SCRシステム(AdBlueという)は、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を水と酸素に分解する仕組み。

2015年のディーゼル一斉導入の際、この尿素SCRシステムは搭載されていませんでした。XC60、V90に搭載されたのは、よりクリーンな排ガス浄化を目指してとのこと。

高価になってしまった

この尿素SCRシステムの導入の影響なのか、XC60とV90のディーゼルエンジン搭載車は、価格が直噴エンジン搭載車でハイパフォーマンス仕様のT5モデルよりも高くなってしまいました。

上級モデルでは問題ないのでしょうが、V40くらいの価格帯ではパフォーマンスモデルとして君臨するT5 R-Designを豪華モデルD4 Inscriptionが超えてしまう可能性があります。

価格のイメージを恐れて、価格帯の狭いモデルには尿素SCRシステムの入っているディーゼルエンジンは搭載できない、でも排ガスはクリーンにしなくてはならない。

これに板挟みになって、販売しなくなっている可能性があります。

ハイブリッドを優先させたい

出典:VOLVO GLOBAL NEWSROOM https://www.media.volvocars.com/global/en-gb

もうひとつ、ボルボは2019年からの全ラインナップ電動化を宣言しています。新型V60でも、2019年からはTwinEngineのT6 T8が導入されます。

欧州での先の見えなくなったディーゼルエンジンを見限って、ハイブリッドに舵を切ったのでしょう。ボルボ自身、40シリーズ以下にはディーゼルエンジンを搭載しない、という方針があるという話もあります。

プラグインハイブリッド車は、総合出力を各モデル番号(T5やT6など)にあわせて、燃費の向上を狙うモデルです。例えば最新のV60への搭載車。本来T6エンジンは300ps超えのスーパーパフォーマンスモデルでしたが、T6 TwinEngineはガソリンエンジン部分はT5エンジンと同じ出力のものを使用します。

その上で、電動モーターをつかって今までのT6エンジンと同等の出力を確保する、という方針のようですね。

XC40や次期V40は、T5 TwinEngineをモデルトップに置くことを目指しています。すると低速〜中速域でパワフルなD4は目の上のタンコブになる可能性が高い。

欧州ディーゼル規制もあるので、ここらでディーゼルエンジンの生産は縮小しようか、という方針が見えますね。

欧州ではハイブリッドエンジンが主流に

ポルシェはディーゼルエンジンから撤退し、2020年に電動車の市場投入を発表。ジャガーも電動車を導入し、一気にハイブリッド化に流れがシフトしていきます。

価格の効果になるハイブリッドの他、安価なモデル向けに48Vマイルドハイブリッドの導入も、ここ1、2年で加速する模様です。

自動車の主な生産拠点である日本、欧州での排ガス規制に、各自動車メーカーは対応を加速させなくてはなりません。市場全体を見れば、ディーゼルエンジンには未来が無いようです。

本当にディーゼルに未来はないのか

とはいっても、世界全体ではガソリンを使い続けるわけにはいかず、軽油に頼る部分も残ります。今後石油燃料の使用を制限していく中で、植物由来や未知の燃料も開発される可能性もあります。

その時、幅広い燃料に対応できるディーゼルエンジンに、再び陽が当たる可能性は残されています。

ボルボのような小規模メーカーに複数のエンジン開発は大変なことで、ディーゼル撤退は仕方ないのかもしれませんが、そのためにパーツの共用化を行ったDrive-Eを開発したのですから、大事に使って欲しいと思いますね。

今選べるボルボディーゼルモデル

最後に、今後希少になるボルボディーゼルモデルをおさらいしましょう!

ボルボ V40 D4

ボルボ最小ボディに、400Nmのトルクを発生させるディーゼルエンジンを搭載。アクセルを踏めばグイグイ走るし、軽い分だけ燃費もいい。人気モデル。

今後中古車市場にも流れてはくると思われますが、人気モデルになる可能性が高く、リセールバリューも良さそうです。

下記の記事で詳しく紹介しています。

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D4のバッチ

ボルボ S60 D4

モデル末期中の末期。すでに兄弟車のV60はフルモデルチェンジしてディーゼル搭載車は日本に導入されなくなりました。

ディーゼル搭載モデルで唯一のエレガントセダン。フルモデルチェンジ後はディーゼルは設定されない可能性が高いので、形が気に入っていたなら買うなら今かも。

ボルボ XC60 D4

今一番買いやすく将来もあるディーゼルモデル。XC60では最良の組み合わせとされ、値段もXC60の中では買いやすく、クリーン税制を使えばT5と同等の価格で手に入ります。

出たばかりなのでじっくり考えて買えるのもいいですね。

ボルボ V90 D4

いきなり登場した、ボルボ最上級ワゴンのディーゼルモデル。ボディこそ重めですが、ボルボエンジン最高のトルクがあれば日本国内では不足なし。気にするべきは、ディーゼル音くらいですね。

下記の記事で詳しく紹介しています。

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ボルボ XC90 D5

2019年3月に導入された、ハイパワーディーゼルエンジンです。もともと車重の重いXC90に合わせて選ばれたディーゼルエンジン。

これでTwinEngineのネックだった長距離ドライブが可能になりました。

まとめ

できれば、ディーゼルエンジンを日本に導入できない理由はおおやけにして欲しいと思います。

ボルボが考えるビジョンを示し、そのためにディーゼルエンジンを日本に導入できない、我慢して欲しいと言われれば、ボルボファンは納得するでしょう。

今の日本法人は、ディーゼルエンジンを搭載しないことについて積極的には話したがりません。すると、日本法人がディーゼルを積極的に導入しないだけではないか、と懸念を抱いてしまいます。

日本市場を失望させないよう、積極的な開示をお願いしたいですね。

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