「心苦しい」と嘆くコールセンター 価格改定の闇

突然ですが、アイスキャンディーの食べ終わった棒に、30万円を支払いますか?

今回はそんな話です。

小規模変更、マイナーチェンジの度に車両本体価格を上げるボルボ・カー・ジャパン。

高価なセット販売化、装備を削っても価格を下げないその貪欲っぷり、見事というか呆れます。

兼ねてから調べようと思っていたXC60の価格変動ですが、V60の装備簡素化による価格改定が無かったことで、私(about VOLVO)の中で1つの糸が切れました。

せっかくの良い車を台無しにしかねないボルボ・カー・ジャパンの価格改定の悪事を徹底追及です。

 

などと言いながら、最初は茶番からはじまります(^^;)

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ドキュメンタリー「価格は全て俺の手中」

※画像と本文とは一切関係ありません

某都内の会議室。中には2名の会社員が。部屋の一面を大きく陣取るスクリーンに映し出されているのは、プレゼン資料のようだ。

”中核SUVの価格改定について”

どうやら、ここは自動車メーカーの会議室らしい。机を並べたり椅子を丁寧に配置したり、2人の男性はセッセと働いていた。

男A「なあ、今回の価格改定、どう思う?買う人に気付かれたら厄介なんじゃ。

そう言うのは、50歳は過ぎているであろう髪には白髪が混じっている。

男B「そうは言われても、プレミアム化だとかで価格を上げないといけませんし・・・・

もう片方は30代と見られる青年だ。男Aの部下のようで、プレゼンの練習も先ほどまで、この会議室で行っていた。

男A「プレミアムとか、いまのユーザーが好んでいるとは思えんのだが・・・・

男B「しっ、社長が来ますよ。

ギイイ

会議室の扉が開くと、少し蛇顔だが意思の強そうな男と、数人の役職持ちと見られる人々が現れた。

男A・男B「社長、お疲れ様です。」

先にいた2人は腰を45度に曲げ、神に向かうようにお辞儀をする。社長と言われた蛇顔の男は、何も言わずに先へ座る。他の人々も、円卓のように並べられた席へ着く。会議室のセッティングをしていた白髪混じりの男も、席へ着いた。

若い青年は、スクリーンのサイドに設けられたスピーチ台へと進んだ。

男B「それでは、これより我々が輸入して販売します、ミドルサイズSUVの価格改定会議を行います。

会議の始まりとともに、スクリーンに映し出された資料が切り替わる。

今回の小規模改良の内容。

今までの販売動向、顧客層、年齢層。

今後の見通しなどがパラパラと進んだ。

男B「と言うわけでして、2019年モデルは高級モデルへの内装装備の充実を図り、ライバル車に見劣りしない車として認知。さらに各社メディアには高級仕様の試乗車を貸し出し、カーオブザイヤーの実力があると褒め称える記事を書くように依頼しております。

白髪混じりの男も立ち上がって意見する。

男A「小規模変更ではユーザーへ訴える機能向上に乏しく、また、販売も好調でありますから、高級仕様車へのオプションの標準化とサウンドシステムの新設定でよいと考えます。

ここで、社長と言われる男が声を上げた。

社長「販売本部長。各モデルの売れ行きはどうなのだ?

立ち上がっていた男は販売本部長だったらしい。

男A「ディーゼルの標準仕様が売れ筋で、次にガソリンの標準仕様です。高級仕様車もディーゼルがわずかにリードしています。

社長「そうか。。高級仕様車の価格はいくら上がる?

男A「679万円に対して、テイラードダッシュボードとミドルタイプの高級オーディオが標準化され、694万円です。

社長「キリが悪いな。。数字の語呂が悪い。

男A「は、はあ。

場の空気が張り詰める。どうやら社長の意見には誰も逆らえないらしい。

男A「装備も価格もモデルチェンジ前より相当上がっています。現在のボルボユーザーを考えれば、これ以上あげるわけには・・・

社長「販売本部長!

社長が席をたち、蛇顔で睨みつける。

社長「君は私の方針、この我々の販売する車をプレミアムカーにすると言う意味がわかってそんなことを言っているのか!?

男A「も、もちろん理解しております。我々の商品を、高い付加価値をつけてユーザーの満足度を上げ、ユーザーのリピート率と収益の上昇を・・・

社長「まだまだわかっていないな、君は。

社長はスクリーンの前まで歩いてくると、スポットライトに当てられた芸能人のように振る舞う。

社長「ユーザーなんてものに、こちらから寄り添う必要はないんだ。金のある奴はな、高くて物が良さそうならそれでいいんだよ。

恐ろしい蛇顏が販売本部長に目をうつす。

社長「この車、エンジンによっての価格差がないんだろう?これでは、より高い方が欲しいという金持ちが、金を出せないではないか。

男A「し、しかし社長、もう値段をあげる追加装備がございません・・・

社長「わかっとらん、わかっとらんよ。追加装備なんていらないんだよ。ようは高いものを購入したという所有感!自分が好んだものは、他と比べても贔屓目に見えるものさ。

ギロリと光る鋭い目線で、販売本部長に詰め寄る。

社長「売れ筋のディーゼルの価格を”見直せ”。今より30万円上げるんだ。

男A「な、何も追加装備も改善事項もなく。30万円上げるんですか?

社長「びびってんじゃねーよ。いまや我々の車において、ディーゼルは希少なんだ。俺が希少性を上げたんだ。乗りたい奴はごまんと居る。

男A「そ、そんなことではユーザーが離れていきかねない・・・!

なんとか抵抗しようとする販売本部長に、社長は冷たい言葉をかけた。

社長「いらねーよ、金を出さないユーザーなんかな。ああ、それと、ほら。

社長は上着から小切手を出すと、多くのゼロを記入した。

社長「ほらよ、お疲れ様でした。退職金だ。俺様に意見しようなんざ100年早いわ。ユニクロでも行ってスーツでも買うがいい。レクサスにでも行って、形の違うだけのプリウスでも買うがいいわ!

ワハハと大笑いしながら会議室をでる蛇顔の社長。残された人々は、呆然と見送ることしかできなかった。

ボルボXC60。こうして1人の男の不誠実で、ディーゼルモデルの価格は吊り上げられたのであった。

ーーー 終 ーーー

※この物語はフィックションです。実在する会社、人物とは全く関係ありません。

 

ボルボの不誠実な価格改定

ボルボXC60Inscription フロントマスク

XC60 D4 Momentumの場合

価格変更内容
MY2018¥ 5,990,000
MY2019¥ 6,290,000電動ランバーサポートの機能ダウン(4wayから2way)

リニアライムウッドパネルのオプション装備削除

MY2020¥ 6,440,000クロストラフィクアラートの機能向上

Bowers & Wilkins がオプション削除

Harman / Kardon がオプション化

タイヤ空気圧モニタ装着

分割シートバックのワンタッチ機構削除

5年保証

AMラジオ削除

MY2018からMY2019へ小変更のあった際、電動ランバーサポートの機能ダウン、リニアライムウッドパネルのオプション装備削除という「劣化」があるにも関わらず、30万円の価格上昇がありました。

また、MY2019からMY2020への小変更の場合、安全装備であるクロストラフィックアラートの機能強化や5年保証制度化により、価格が15万円上昇します。

XC60 T5 Momentumが599万円から614万円に上がったことを見れば、ディーゼルモデルの価格上昇は明らかです。

XC60 D4 Inscriptionの場合

価格変更内容
MY2018¥ 6,790,000
MY2019¥ 7,240,000Harman / Kardon サウンドシステム装備

テイラードダッシュボード標準化

MY2020¥ 7,390,000クロストラフィックアラートの機能向上

タイヤ空気圧モニタ装着

分割シートバックのワンタッチ機構削除

5年保証

AMラジオ削除

MY2018からMY2019へは、テイラードダッシュボード装備やHarman/Kardonの装備を実施。テイラードダッシュボードは15万円のオプション、Harman/Kardonは高く見積もっても15万円ですが、価格上昇は45万円です。

さらにMY2019からMY2020への小変更で、15万円上昇。合計60万円上がっています。

XC60 T5 Inscriptionが679万円から709万円と、30万円しか(?)上がっていないことを見れば、約30万円何かが上がっています。

これがアイスキャンディの棒なのか、はたまた空気なのか。闇は膨らむばかりです。

V60 T5 Inscriptionの場合

Volvo V60 CrossCountry ダッシュボード
テイラーダッシュボードがあしらわれたInscriptionは、見た目の質感でも大満足なのだが・・・
価格変更内容
MY2019¥ 5,990,000
MY2020¥ 5,990,000テイラードダッシュボードのオプション装備化

AMラジオ削除

ステアリングアシスト付きBLISへ機能向上

見かけ上は価格の上がっていないV60ですが、インスクリプションのインテリアを飾るテイラードダッシュボードをオプション化。その上価格は据え置き。

ステアリングアシスト付きBLISって、15万円もする装備なのでしょうか?

また、テイラードダッシュボードはプラスパッケージというセットオプションに組み込まれ、45万円です。

これは、独占禁止法に抵触するおそれがありませんか?数々のオプションを、相手が不要にも関わらず抱き合わせで販売する行為です。

ある商品を販売する際に,他の商品も同時に購入させる抱き合わせ販売は,取引の強制であり,不当に行われる場合には,不公正な取引方法(抱き合わせ販売)として禁止されています。

出典:公正取引委員会

自動車のオプションですので高額なのは仕方ありませんが、今までは別料金を支払う必要がなかったところから、今回は45万円という大きな出費が必要となります。テイラードダッシュボードが欲しいのに、セットでパノラマガラスサンルーフという”いらない”商品を抱き合わせ販売している行為。独占禁止法の抱き合わせ販売と取られても仕方がありません。

コールセンターに電話 真相は?

ボルボロゴ
誇らしげなボルボマークも少し寂しげ

この価格アップ、なぜ起こるのか。柔らかく言えば、カタログに書かれていない機能向上があるんじゃないの? 本当の事を言えば、この価格アップに意味はあるの?

という質問を、カスタマーコールセンターへ電話で確認してみることにしました。

カスターマーコールセンターは私の質問に誠実に答えてくださいました。約30分も電話しましたが、様々なところへ連絡し、価格アップについて回答をいただきました。

V60 テイラードダッシュボードについて

Q.V60のテイラードダッシュボードを省いた分 値段を下げないのは何故?

A.安全機能の向上により相殺しています

という事でしたので、続けて質問することに。

Q.ボルボは安全装備を標準装備しているが、性能アップの図られた機能について価格上昇という形でユーザーへの負担を増やす事をどう思うか?

A.昨今のボルボカージャパンは、基本的に価格を下げることはない。輸入元との関係で価格改定する場合もある。装備を省いた上で価格を維持する事は大変心苦しいが、このようにしか案内ができない。

何か話せないことでもあるのか、理由のない価格アップに対して、解答例が無いのでしょう。一定時間保留のあとにいただいた回答が上記の通りでした。

XC60の価格上昇は何かの仕様変更があったのか

Q.XC60のMomentumは登場当時より45万円価格上昇しているが、あらたな機能の追加はあったのか。

この回答は、AdBlue対応だと思っていましたが、そうではありませんでした。

A.MY2018からMY2019への、機能アップは特になく、単なる価格改定。

Q.機能アップせずに価格改定?それは最初の値付けが間違えていた、という事か。

A.そのように捉えていただいて構いません。

 

これには驚きました。機能や性能向上は無くても、価格改定をする場合があると言います。

それがユーザーにとってどのように見えるか、考えてはいないのでしょうか。

現場の苦労を理解していない

ただし、大変心苦しいという言葉で、コールセンターも苦労しているのがわかりました。ボルボの上層部の方は、本当に現場の事を考えた方がいいです。顧客の事を考えた方がいいです。

内容の伴わない価格アップ、より高い買い物をさせようと仕組んだオプション構成。冒頭のフィクションドキュメンタリーのように、プレミアムを掲げて自らの利益を追い求めた結果訪れるのは、信頼の崩壊です。ボルボの車はとてもいい。すごくいい。好きな人はドイツ御三家なんて眼中なくボルボを買ってくれます。そういう人は、また買ってくれるから対策は必要ない、なんて考えていませんか?

既存ユーザーを全く考えないボルボ・カー・ジャパン

出典:Volvo Car Group Global Media Newsroom

そもそも、初代XC60のD4は、539万円という値付けでした。今や644万円。誰が乗り換えられるものか。

気に入った車がある時、フルモデルチェンジした同じ車に乗りたいと、誰もが思う事でしょう。しかし自分の乗っていた車は100万円以上高くなっている。なら、XC40にしろと言うのでしょうか?クルマのグレードを落とせと?

いいえ、その時はボルボに乗る事をやめるでしょう。一度裏切られた気持ちを、モノしか販売しない会社が取り戻せるわけがありません。

  • ディーゼルあるのに輸入しない
  • 欧州でのディーゼルとガソリンの差額以上にある日本での価格差
  • マイルドハイブリッドが入れない
  • 製品を変えずに価格だけを上げる
  • 高額なセットオプションを用意する(独禁法に抵触の恐れ
  • リセールが下がると社長自らがネガティブキャンペーン
  • ブリッジスマボ でダブついたV40で違う意味でのリセールダウン

間違えを正さなくてはならない事が沢山ありすぎます。

クルマが悪いわけではないのに、販売会社が悪すぎます。コメントをくださる皆様口を揃えて、この社長では次にボルボは無い、と言い切ります。

このままでは長年乗り続けてくれているボルボファンが離れますよ。いい加減、目を覚まして欲しいと願うばかりです。

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