V60 / V60CrossCountryが2020年モデルに!V90 D4に特別仕様車設定!

ボルボ論 ディーゼルリコール発表で見えた失態と改善方法

  • 2019年5月30日
  • 2019年5月29日
  • コラム
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ボルボ論 ディーゼルエンジンのリコールが届けられましたが VCJの誠意はどこにあるのでしょうか

ボルボ ディーゼルエンジンのリコールが発表されました。

エンジンコントロールモジュールのプログラムが不適切なため、酸素センサーに煤が堆積することがある。そのため、酸素センサーの応答時間が長くなり、エンジンの警告灯が点灯して、排出ガスが基準を満足しなくなるおそれがある。

出典:国土交通省 自動車リコールの届出情報(リコール外2841-0)

国土交通省への届出番号は「リコール 外-2841-0」。対象車種は、2015年6月16日〜2019年2月6日までで販売された、

  • V40
  • V40クロスカントリー
  • S60
  • V60
  • V60クロスカントリー
  • XC60
  • V90
  • V90クロスカントリー

の、合計20,510台。全ての対象者のエンジンコントロールモジュールのプログラムを対策プログラムに書き換えることとなっています。

さて、今回のリコール発表、about VOLVOとしては「やったぜ!」です。何せ、我が愛車もボルボV40 D4。以前エンジンチェックマークが出たことがあり、わざわざディーラーへ車を持っていき清掃を受けたことがありました。

将来、原因不明と言われていたこの症状が出なくなった、というだけでも充分うれしい。

ですが!

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リコール発表でわかる事

D4のバッチ

さあ、このリコールで色々な事がわかります。それは何か?

なんだかいつもディーゼル批判のボルボ論で申し訳ありませんが、リコールが出てしまったのだから仕方がありません。

将来の不具合対策が怖くて販売したくなかった

まず、誰でも気づくのが、これがあるからディーゼルを販売したくなかったんだ、という事。

酸素センサーの不具合が増え、整備工場はパンクする事が予想されたことでしょう。将来リコールができる段階になったとして、その台数をできるだけ押さえておきたかった。

なにせ2万台ですからね。2019年現在のボルボディーラー数は、124件。1店舗あたり160台以上の整備が必要になります。

ボルボも販売台数は堅調に増えており、新車を納車するのに必要な整備は増えてゆきます。そして悲願の年間2万台販売を達成するとすれば、この整備時間は削減できません。

リコール内容が酸素センサーの交換だったら、DPF装置の交換だったら。。。と、まだ見えぬ対策方法による整備時間の増加を懸念したVCJは、ボルボ本社の進める電動化対策を推し進めるという大義名分を使い、ディーゼルの販売を取りやめたのでしょう。

ディーゼル再販売はされない

しかし、このリコールによる対策で、ディーゼルエンジンの不具合は解消されます。もうディーゼルNoという必要がありません。

果たしてこの状況から、VCJはディーゼル販売へ軌道を戻すのか、どうなのか?

これは多分、Noでしょう。想像してみてください。ボルボがディーゼルを再販するには、頭を下げる必要があるんです。

「実は酸素センサーのトラブルが増え続けており、やむなくディーゼルを中止していた。もう大丈夫だよ。」と言おうが、

「やはり二酸化炭素の排出量を抑制するには、ガソリンとディーゼルは共存していく必要がある。」と言おうが、

「私たちの考えが間違いだった。ディーゼル出すからボルボに戻ってきてください。」と言おうが、

「ディーゼル反対派の木村社長を退任させた。ディーゼルを再販します!」と言おうが(あ、これはいいか。。)、ディーゼルモデルが入ってこなかった期間にガソリンエンジン車を購入した人からしてみれば悔しくて仕方がありません。

つまり、リコール以上の大クレームが待っている訳です。どう考えても再販できません。

売上至上主義の露呈 顧客の事など考えていない

ボルボXC60Inscription フロントマスク

このように捻(ひね)くれた考え方をしてしまうのには、訳があります。

VCJはなにせ、XC60やV90などの比較的販売台数の少ない車種は、ディーゼルを導入しているのです。

つまり、粗利が大きい商品は販売したいから、ディーゼルを設定するよ。粗利の小さい商品は整備時間が増えるだけだから、ディーゼルを設定しないよ。という事になりませんか?

その証拠に、V60 CrossCountry(車重 1,810kg 価格 549万円〜)はディーゼルの設定をせず、V90(車重 1,770kg 価格 649万円〜)はディーゼルを設定しています。

木村社長は、「『XC60』や『90シリーズ』のように大きくて重くディーゼルを乗せれば燃費が良くなるクルマについてはディーゼルをこれからも継続していく」との方針も示していた。

出典:RESPONSE

木村社長、V60 CrossCountryのほうが重いですよ。数字読めないんですかね??

いや、結局売上至上主義とリスクマネジメントの結果でしょうね。そこに誠意などない事が、よくわかりました。

今がチャンス!ディーゼル問題にサヨナラしよう

と、ここからがボルボ論。

いつまでもディーゼル出せ出せ言っても仕方がありません。ディーゼルエンジンが出ない事は少し残念ですが、ボルボファンとしては、今回の発表をバネにさらなる発展をしてほしい。

以前、私はコラム ボルボ論 良い自動車販売の条件の中で、ディーゼルを販売できない理由やエネルギーを含めた将来の自動車像を、正しくユーザーへ説明するべき、と言いました。

今がちょうどその時です。ユーザーへ対して心の底から謝罪と説明をする時なのです。

ユーザーへ正しく伝える方法は誠意を見せる事だけ

工場の風景

例えば、ですが、以下のようならどうでしょう。

ディーゼルエンジンは日本で販売するにはトラブルが付いて回っていた。今回ようやく改善できたが、リスクが多く販売できなくて申し訳なかった。

しかしディーゼルエンジン車の販売はこれ以上できない。なぜならば、ディーゼルの発がん性物質を完全に除去できる可能性が見出せないからであり、それは二酸化炭素削減よりも重要な事と我々ボルボ・カー・ジャパンは考えている。

さらに、電気自動車が技術革新で急激に普及し、燃費が伸びた場合。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでリセールバリューの打撃を受けるのは、燃費はいいが快適性の劣るディーゼルエンジンだ。

つまり、我々はディーゼルエンジンをもう販売しない。V90やXC90、XC60も含めて、すべてのモデルで販売を停止する。

すべてのディーゼルエンジンの販売を停止する。全力で電動化に取り組む。つじつまがあう意見だと思いませんか?

 

つまり、落とし所としては「利益たっぷりだからディーゼルを販売してもいいよ」のモデルを廃止すること。

それくらいの覚悟なくして、誰がプレミアムカーディーラーを名乗ろうというのでしょう。

リコール発生についてしっかりと説明し、ユーザーの理解を得る。お互いが歩み寄る。これが出来ないのが今のVCJです。

一度きりの謝らずに済むチャンスを使うか?

ボルボXC90のフロント

プライドが高くて歩み寄れないとしても、もうひとつチャンスがあります。それはマイルドハイブリッド導入。

ディーゼルエンジンとの組み合わせは想定外でしたが、最初に販売されるボルボのマイルドハイブリッドは、VCJは公式発表はしていません。

XC90のMY2020のマイナーチェンジ時に搭載される予定なのですが、このタイミング発表します。

私たちはディーゼルエンジンを販売しない方針だったが、それはディーゼルの排気ガスに不安があるからだ。

しかし今回、一番燃費が悪く排ガスを発生させる低回転領域をサポートする、マイルドハイブリッドを搭載し、再びディーゼルエンジンを発売することとした。

二酸化炭素を抑制できるディーゼルエンジンには未来があり、またマイルドハイブリッドも普及することで更なる技術革新が期待できる。完全電動化が来るまで、少しでも二酸化炭素の発生を抑えるため、ボルボ・カー・ジャパンは積極的にマイルドハイブリッドとTwinEngineを推し進めたい。

どうでしょう、正義の塊に聞こえるでしょう?誰の体面も潰す事ない方法と考えられます。

実は、海外サイトを見ているとマイルドハイブリッドのディーゼルエンジンに期待する声は大きくなってきています。現行D5ディーゼルエンジンに比べ、燃費で15%(つまり排気ガスを15%)削減できるマイルドハイブリッド+ディーゼルエンジン(B5)は、今選ぶ中での最適解なのではないか?という主張です。

また、日本のように火力発電所に頼って発電している国では、電気自動車にしたとしても二酸化炭素の発生量を抑制する効果が少ない、という研究結果も出ています。

自動車メーカーは、絶えずこのエンジン問題の着地点を見極めながら、パワーソースの開発を行わなければならないのです。

その答えの1つ、XC90のモデルチェンジにVCJがどのような回答を示すのか。楽しみですね!

販売台数の積み上げ要求に応えられるか

日本とスウェーデンの国旗

もうひとつ、今回の発表で気に掛かる事があります。

酸素センサーの不具合は、東アジア地域で発生していたようです。日本も含め、湿気の多い国で発生していたのですね。この対策、もちろん実施したのはスウェーデンのボルボ本社です。

もちろん自社の製品の品質を維持するのは、メーカーの役割です。しかし、ディーゼルエンジンの販売を直ぐにやめると言ったわけではありません。

(そもそも、欧州2021年のCO2規制を乗り越えるには、ディーゼルのように燃費が良くてCO2の排出量の少ないエンジンが必要なのです。)

このプログラム改善により、ディーゼルエンジンを再び拡販できる環境が整った、と考えたとしてもおかしくありません。

しかし、販売は現地法人に任せてあるわけです。販売方法への主導権を、ある程度持たせた状態で。

すると、ボルボ本社から次に出るのは販売台数の積み上げでしょう。致命的な不具合はもうないんだ。積極的に販売台数を伸ばしなさい。となる。

クルマの良さで販売台数を伸ばしてきたVCJですが、いきなりの正念場が来るわけです。XC40は確かにバックオーダーを抱えているし、V60もそこそこの人気です。ある程度の販売台数は見込めるでしょう。

ボルボロゴ
誇らしげなボルボマークも少し寂しげ

しかし、現行ボルボユーザー、特にディーゼルを購入した顧客は、車検時の買い替え先が無い為、そのまま車検を通す=販売台数に寄与しない可能性もあります。

ではディーゼルエンジンをラインナップ。。。となると、先ほどの「謝罪する?しない?」問題も急浮上。

 

いいえ、VCJは本当に、このタイミングで誠意を見せた方がいいです。

公式ホームページにも、プレスリリースにも、リコールについて一切触れていません。ボルボの2万台の販売規模で2万台のリコールです。もしトヨタなら、国内販売台数150万台ですから、150万台リコールを起こしたのと同じです。

そして、ディーゼルエンジンの排ガスが浄化されずに排出される不具合。下手すればフォルクスワーゲンの燃費改ざんと同じくらいの事なのですよ?

果たして「ピーエージーインポート」は、ボルボの正しいディーラーで居られるのでしょうか。

我々ユーザーは注意深く、その行動を見守りたいですね。

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