ボルボとVCJ 脱ディーゼルの理由を述べよ 後編

ボルボディーゼルについて、木村社長へのインタビューが日経スタイルに掲載されました。

前回の記事で、ボルボとディーゼルについてaboutVOLVOの意見を連ねました。

今回は後編ですが、前編で出し切れなかった情報を、座談会方式でお伝えします。

ボルボのディーゼル撤退に、日本のボルボファンはやきもきしています。

欧州で人気があり、排ガスがクリーンであればパワフルさと燃費に優れるディーゼルエンジン。2015年にはボルボ自身がディーゼル時代だと、複数車種に一斉に導入したのが懐かしいですね。

前回の記事で、ジャーナリスト風に皆さまにお伝えしたポイントは次の通りでした。

ボルボのスタンスはディーゼルは今後開発しない。

販売は続けるが縮小されていく。

今後50%を超える熱変換率を誇るガソリンエンジン+電動化を目指すと予測。

中国市場を見据えて電動化比率をあげる。

木村社長の発言は現在のディーゼルボルボ乗りの事を考えていない。

脱ディーゼルを率先しているVCJは、日本でのディーゼル自動車のリセールバリューが下がる理由をしっかり説明するべきである。

前編をご覧になっていない方は、ぜひ先にご覧ください。

https://about-volvo.11-life.com/diesel-instruction/

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ボルボ 脱ディーゼルの理由を述べよ 座談会

年末から始めた「座談会」企画は、とても表現がしやすい為、しばらく掲載することといたしました。

お付き合いよろしくお願いします。

登場人物は3名、20歳大学生のマコさん、30歳技術系会社員のエイジさん、40歳で自動車に浅く通じているシンゴさんです。

また、「ーーー」とは編集者を表しています。全体の進行役です。

今回は脱ディーゼルの理由を述べよ、というタイトルですが、ボルボディーゼル全般について話し合います。

木村社長の戦略の疑問点

出典:VOLVO Car Japan

マコ「2019年始めに、木村社長へのインタビューが掲載された”日経スタイル”は、衝撃的でした。インタビューアーの小沢氏の意見も、途中木村社長へ追従するような会話になっていました。

シンゴ「編集時に変更している可能性もあるけど、”地域的にディーゼルに乗ってはいけない場所が出たりすると怖いですね”なんて、自動車評論家が言う発言ではないね。」

エイジ「最も自動車業界にくっついている人間ならば、クリーンディーゼルでの立ち入り禁止が日本でいきなり起こるものなら、真っ先に反対するでしょう。」

シンゴ「でも、そうはならなかった。その上、ドイツの連邦裁判所による都市部へのディーゼル乗り入れ禁止の決定を、編集部注として載せている。」

マコ「日本でのことを質問しているはずなのですけどね。インタビューの時に別の事を言っているのを、あとでボルボに指摘されて編集したのかもしれませんね。」

エイジドイツの都市部へのディーゼル乗り入れ禁止は、ユーロ6という排ガス規制未満のクルマでの乗り入れと決めてあります。そこをディーゼル車は乗り入れできないよ、などと思わせる文面に悪意を感じますね。

ーーー今回は日経スタイルの記事についてと、ディーゼルの未来についても語ってください。

エイジ「わかりました。。。でももう少し、VCJへの疑問を語らせてください(笑) ディーゼルの販売比率は5割を超えていたとなっています。V60など、フルモデルチェンジ前も相当数ディーゼルを販売していたわけです。そこを、いきなりディーゼル販売しないと言った事に対して、何も思っていないのでしょうか?」

マコ「ディーゼル販売の休止については、V60のフルモデルチェンジ前から言っていた事ですから、ディーゼルを選んだ人は、なくなる事について理解している、というスタンスなのではないでしょうか。」

シンゴ「だとすると、このダイレクトメールはどうなんだろうね。」

photo about-VOLVO

シンゴ「最後のクリーンディーゼルですよ、というダイレクトメール。ボルボディーラーでは、このクラスでのディーゼルは今後行いませんよ、だから早く買ってね、という営業をしているわけです。どこにもリセールバリューが下がるなど記載がない。」

エイジ「木村社長自ら、今後ディーゼルのリセールバリューは下がると言っているわけだから、その文言を含んでセールストークしているのなら真面目だなと思いますが。木村社長の記事なんてちっぽけなものですから、知らない人は知らないでしょう。」

マコボルボのディーゼルのリセールが下がる、という事実を知らされずに買っている人がいる、という事ですか?

エイジ「そういう可能性もある、という話です。ボルボの優れたセールスマンは、そんな事絶対にしないと信じていますけど。」

マコ「ボルボは1台を長く乗る人が多いと聞きます。そもそもクルマなんて、5年も経てば価値はないことになるのですけれども。それでも、例えば5年後、東京都がディーゼルNoなんて始めた場合は、本当にリセールバリューはどん底に下がってしまいます。その時、長くボルボに乗りつづけてくれたボルボディーゼルユーザーに、ボルボはなんて言うのでしょう?

シンゴ「新しいクルマに替えてくれ、なのか、東京都には入らないで、なのかのどちらかかね(笑)5年も前から言っていたじゃない、という下地はできたわけだけど。」

エイジ「ボルボは5年前からディーゼルに将来は無いと言っています。それはお客様のほうからいい始めました。来るときが来たのです。だから入れ替えてください、なんて言うのでしょうね。」

マコ「日経スタイルで言ってましたね、”お客様のほうから言い始めてる”って。私の周りにはディーゼル出して!って言う人ばかりです。本当に言っているの?ボルボはレストアセンターまで作って、古いクルマを再生までしている。環境重視するのなら、言っている事とやっている事が違いすぎます。」

エイジディーゼル乗り換え特別スマボプランでも作ってきそうですね(笑)

シンゴ「笑えない(笑)」

ディーゼル縮小はボルボのせいではない

エイジ「ただ、欧州のディーゼル縮小の歯止めはむづかしいです。ボルボも予測できなかったことなのだ、という事だけは、私たちも認めてあげないといけません。」

シンゴ「それまでディーゼルを輸入していなかったからね。突然ボルボでディーゼルが選べるようになった。ただ、欧州では昔からディーゼルは売れていた。日本への導入が始まり、すぐにディーゼルが欧州で売れなくなったわけだ。3年間でディーゼルへの風向きはがらっと変わったのは事実。

マコ「今後のディーゼルエンジンに未来はないのでしょうか?」

エイジ「研究を続ける人がいれば、未来はあると信じています。いろいろ理由はありますが、第一に熱効率はまだまだあげられる事。JST(科学技術振興協会)では、ガソリンエンジンの熱効率が51%、ディーゼルが50%となっています。」

シンゴ「熱効率が同じという事は、出力やトルクが同じになる、という事?」

エイジ「いいえ。。。各エンジンには特徴がありますから、そういうわけではありません。ガソリンエンジンは今よりも省エネルギで気持ちの良い回転とパワー、ディーゼルエンジンは高回転には不向きですから、低回転域でのトルク増強、と言ったところでしょう。」

マコ「でも、燃費が同じくらいなのであれば、音の静かなガソリンエンジンを選んでしまうかも。」

シンゴ「日本では軽油が安く手に入るからなぁ。軽油を使えるディーゼルエンジン車は、燃料代というところで相変わらず魅力的だと思うけれども。」

エイジ「まさにディーゼルを残すべきものがそこで、エネルギーの供給は1つだと困ることが多いのです。ガソリンが手に入らない時、ディーゼルが残っていれば、輸送がすべて止まるという事態を防げるわけです。」

マコ「それでも、原油を輸入してガソリンと軽油に変えているわけであって、ガソリンが手にはいらない=軽油も手に入らない、という事に。。。あ、そうか。そこでバイオディーゼルなのですね。」

シンゴ「そうだね。前編でも話題にあげているが、ディーゼルエンジンの最もたる魅力、それは軽油以外の燃料も使える、という事だ。今後、エネルギー問題は深刻化していくだろう。電気自動車にしても、しばらくは主流にはならない。再生可能エネルギーの技術が伸びても、政治的理由やプラスチックの生成などもあり、原油の輸入は続くだろうけれど。」

マコ「でも、日本が輸入する原油が少なくなれば、いきなり日本には輸出しない、なんて言われるタイミングもあるかもしれませんね。」

エイジ「そんな時、再生可能エネルギーで生成された、植物由来オイルが脚光をあびる日が来るかもしれない。どちらにせよ、パワーソース(エンジン)が単一エネルギーでしか動かない、という事は、喜ぶのはやはり原油産出国なわけです。」

燃料はガソリン/ディーゼルだけじゃない

出典:https://www.volvocars.com/

マコ「そこなんですけど、ボルボはガソリンでもなく、軽油でもないエネルギーで走行できるシステムを作っていましたよね?」

シンゴ「ええ?なんだっけ。。。」

マコMulti-Fuelシステムです。天然ガス+10%水素の”Hythane(ハイタン)”、家畜排泄物や食品廃棄物から生成される”Biomethane(バイオメタン)”、サトウキビなどを原料にするバイオエタノールにガソリンを15%混入した”Bioethanol E85(バイオエタノールE85)”、天然ガスだけ、そしてガソリンという、5つのエネルギーが使えます。」

エイジ「すごい!なんでそんな事知っているの!?20歳(設定)なのに!」

マコ「これを読みました。”ボルボ ワールドガイドDX“です!昔のボルボについて載っていて、とっても面白いですよ〜」

シンゴ「なるほど。。。情報が少し古い(笑)フラッグシップがS80だもんね。」

エイジ「それでも、ボルボの設計思想などが載っていて面白いですね。なになに、”ボルボの基本理念は、第一に、どのクルマにおいても通常の使用条件下で最低2年のテストを行う”。。。か。ボルボ好きなら読んでおいて損はしないよね。」

マコ「はい、この本、amazonのKindleで読めるので、わざわざ本屋さんで取り寄せる必要がないんです。良い世の中になりましたね〜」

ーーーきになる方は、ぜひ下のリンクから確認してみてくださいね。

●Kindle版

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シンゴ「CMかよ!(笑)」

VCJ ディーゼルは売らない でもEV化は人任せ?

出典:https://www.volvocars.com/

エイジ「さて、散々ボルボのディーゼルを残せ!残せ!と言いましたが、残さない方についても考えましょうか。」

シンゴ「そうだね。ならば電動化について考えようか。自動車がすべて電気自動車になったとして、必要な電力はどれほどなのだろう。」

ーーーこちらのWEBがわかりやすいです。

「ある地区ですべての家がEVをもつようになれば、その地区で使用される電力の量は2倍になるでしょう」と、ベシール教授は指摘する。

出典:https://wired.jp/

シンゴ「なるほど、EVが普及すると使用電力が2倍。。。」

マコ「今ある発電所では賄いきれないですね。原子力発電所も止まっていますし。」

エイジ「しかし先のWEBページでは、EVが15%くらいまでなら、影響は無いとしているそうです。」

シンゴ「するとそれまでに、再生可能エネルギーを普及させると。大変なことじゃないの?」

マコ「ここで1つ、ネタなのですが。。。」

エイジ「んん?また違う本?(笑)」

マコ「いいえ(笑)原子力発電なのですが、次世代原子力発電というのがありまして。」

シンゴ「へぇ?どんなものなの?」

マコ「今ある原子力発電と違い、制御できなくなった場合に安全に止まるんです。」

シンゴ臨界事故しないということか。それは一体どんな原子力発電なのかな。」

マコ核融合発電というものです。」

【クローズアップ科学】日本の新核融合炉、建設大詰め エネルギー問題解決へ 産経ニュース

シンゴ「うーん、今回は勉強になるね。」

エイジ「電気自動車という新しい文化を実現する為に、つまり、人間にとってどうしても手放せない”移動”の為に、世界はしっかりと対策をとっている、という事になりますね。」

マコ「その通りです!」

シンゴ「なんだか、鼻が高そうだが(笑)」

マコ「それでも、実現はまだまだ先です。ボルボ自体のスタンスは理解します。開発は電動化に注力したほうが、先々良いこともわかりますよ。」

エイジ「そうですね。ただ今回、ディーゼルを導入しないと言っているのが、軽油を輸出している国 日本でボルボを販売している、VCJという会社だという事が問題なのです。

シンゴ「VCJは我々ボルボファン、とりわけボルボディーゼルを購入した層に、しっかりと説明する義務がある。リセールバリューという未来を心配して、などではなく、このままだとディーゼル自動車は走れなくなる、という根拠を示して欲しい。」

マコ「ドイツ輸入車メーカーが黙っていないでしょうけどね(笑)」

シンゴ「マツダもかな(笑)」

まとめ

前編、後編とお読みいただき、ありがとうございました。

aboutVOLVOとしては、ボルボの長期的戦略をある程度支持し期待する一方、今すぐにディーゼルエンジンをやめるVCJのスタンスには納得がいかない、という形です。

パワーソース戦略が大掛かりな事は確かです。そして20世紀とは違い、これからは新たに電動化を目指すことが、どの自動車メーカーも共通の課題となっています。

地球温暖化の原因であるCO2を排出しない、クリーンディーゼルエンジンの販売中止。環境問題も含めて、VCJ及び木村社長にはしっかりとした説明をしてもらいたいですね。

aboutVOLVOのおすすめ

https://about-volvo.11-life.com/news-newv60cc/

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