ボルボとVCJ 脱ディーゼルの理由を述べよ 前編

特集
出典:https://www.volvocars.com/

これがわかる記事です!

ボルボディーゼルについて、木村社長へのインタビューが日経スタイルに掲載されました。

その意見に対するabout-VOLVOの率直な意見を申し上げます。

今回は口調がジャーナリスト風です!

ボルボのディーゼル撤退に、日本のボルボファンはやきもきしている。

欧州で人気があり、排ガスがクリーンであればパワフルさと燃費に優れるディーゼルエンジン。2015年にはボルボ自身がディーゼル時代だと、複数車種に一斉に導入したのが懐かしい。

ボルボ プレスリリース 新世代Drive-Eクリーンディーゼルを主力5車種に搭載

そのボルボは電動化に舵を切り、日本では早々に中小セグメントでディーゼル撤退を決めてしまった。行動力は買うが、その判断は正しいのか。

本気でディーゼルを作らないボルボ

出典:https://www.volvocars.com/

まず、ボルボ自体のスタンスを説明しよう。

ボルボは別に、今すぐディーゼルをなくすとは言ってはいない。

確かにディーゼルエンジンは欧州では縮小ムード。だが、販売比率が5割だったところが3割になっただけである。

しかしボルボは、ディーゼルエンジンの開発継続はやめると決めた。

日本経済新聞

そして今後は電動化にシフトしていくという。つまり、ディーゼルエンジンの開発に注ぐ力は、全て電動化に使うということだろう。

ディーゼル、ガソリン、電動化。将来が無さそうなのは、ディーゼルであると踏んだのだ。何か特別な技術でもなければ、ディーゼルエンジンはクルマ用としては、終わりを迎えるだろう。

ただし、船舶などには残る。大型トラックなどではしばらく使う。ディーゼルの技術開発は、そちらの専門分野に任せるということだろうか。

確かにガソリンエンジンには未来がある

残されるのはガソリンエンジン。特にアメリカではガソリンエンジンでないと売れない。理由は日本と違い、軽油に免税が適用されていないからだが、実はこちらは、エネルギー効率をディーゼルエンジン並みにあげられる余力がある。

出典:JST https://www.jst.go.jp/pr/announce/20190116/index.html

出典:JST(科学技術振興機構)

この記事を見ると、熱効率はガソリンエンジンで51パーセントを超えている。燃費に直結する燃料効率は、電動モデルへの繋ぎに一役買うことだろう。

それにしても、50%越えはとてもすごいことだ。日本の技術は素晴らしい。

電気自動車の電気は発電所から送られてきた電気を充電するわけだが、火力発電所は今40パーセントぐらいの効率だ。

もちろん、自然エネルギーや原子力発電などを合わせていけば電気での効率は高くなり、脱石油を考えれば徐々に内燃機関が減っていくのは当然と言えるだろう。

その時まで、効率の良くなったガソリンエンジンとモーターとのハイブリッドを主役に置く。堅実である。

無視できるはずがない中国市場

しかし、いろいろ考えたとしても、ボルボの電動化の本当の理由は中国市場にあると感じる。

中国は2025年までに市販車の2割を電気自動車にするという目標がある。この為、各メーカーは中国市場で出遅れまいと必死なのだ。

当然、車の開発の最優先事項は電気自動車となる。

クリーンエネルギー化にも期待ができる。ボルボにとって一番期待できるのが、電気自動車なのだ。

電動化によってディーゼルと同じくらいパワフルにできる、という事も忘れてはならない。電動化には電動化の意味があると、ボルボは考えているのだろう。

そこでボルボ自体も、2025年までにラインナップの半数を電動化すると決めたわけだ。

世界戦略で考えれば、ボルボの動きには納得がいくのである。

資源問題と大気汚染

では世界の自動車社会から見ると、どうなのだろうか。

世界の為に一番良いクルマの形態で考えれば、電気自動車だ。これはなぜか。

答えの一つは排気ガスだ。クルマの排気ガスは、ディーゼルエンジンならば発ガン性物質、ガソリンエンジンならCO2の排出だ。

そして排ガスの抑制や燃費の向上を考えると、本来ならば一定の回転数を維持すること、また、排ガスの浄化装置なら熱を与え続けること、これが良いとされる。

ところがクルマのエンジンは、ドライバーの意思や交通ルールにより、加速、定速、減速、そしてアイドリングが発生する。これらがある以上、常に効率の高い回転数を維持することは、かなわない。

つまり、同じ熱効率なのであれば、電気に変換しておいたエネルギーを使う方が効率が良いのだ。

これをクルマで完結してしまおうというのが、マツダのレンジエクステンダーであったり、日産リーフだったりする。素晴らしい技術である。

もうひとつ、脱石油である。これは石油産油国が利権を握るという、世界の構図を崩す可能性がある。

太陽光発電などの自然エネルギーが普及し、国土に必要な電力を賄えたなら、石油は必要なくなるのだ。

石油を購入する必要はなくなり、どの国も潤うことだろう。唯一、石油産油国はダメージを受けるだろうが

素早い脱ディーゼルは日本に有益か?

さて、これらの世界的なエネルギー、大気汚染に関する目標の中、我らがボルボは、VCJはディーゼルから手を離す。これはどうなのだろう。

全ての車が電気自動車になるには、まだまだ時間がかかる。内燃機関がすぐに不要になることは無い。

軽油は日本では余っている。輸入車勢は環境対応ディーゼルを日本に導入し続けている。

そもそも、ディーゼルのリセールバリューが下がると言うが、すぐにでも下がる要因は日本では見当たらない。

例えば、日本において免税されている軽油の税率があがるようならば、国民は黙っていない。もし増税するのならば、(いつもどおり)緩やかに行うだろう。

軽油が輸出されている以上、使って欲しいのは軽油だ。エネルギーの乏しい日本において、エネルギーソースの分散は大変意義のあることである。

ところで、軽油がいきなりNGになるとすれば、まずは健康被害からだろう。ディーゼルエンジンの排ガスには発ガン性物質が含まれている。

と、されていた。

現代のクリーンディーゼルは、発ガン性物質は皆無とされている。そうでなくては、日本でも世界でも、ディーゼル車は販売できなかっただろう。

不信感を募らせる社長の一声

出典:VOLVO Car Japan

よもや、ボルボのディーゼルにも何か、フォルクスワーゲンのような不正が仕込まれているのか?

何れにしても、すでに販売し購入いただいたクリーンディーゼルエンジン車に対して、不安を煽るようなことはするべきでは無い。

しかし、それ自身を、日本のボルボ正規販売店(Volvo Car Japan = VCJ)の社長自らが行ってしまったのだ。ボルボディーゼルユーザーとしては、大変悲しい。

例えば、以下の記事を見て欲しい。

木村 リセールです。もしも欧州でディーゼルを買った場合、3年後、5年後にそれがいくらになるか、現時点では誰にも分からないんです。そうなると、怖くてディーゼルなんて買えないですよね。

出典:NIKKEI STYLE

こんな事を言われたら、いまディーゼルに乗っている人はどうすれば良いのか。すぐに入れ替えろという事であろうか。

木村 新世代のエコパワートレインはハイブリッドという方向です。

小沢 一方で、完全に脱ディーゼルとは言えないわけですよね。

木村 完全に言い切る必要もないですし、ディーゼルがお好きな方はXC60以上の車格でぜひディーゼルを楽しんでくださいと。その両面作戦で考えています。

出典:NIKKEI STYLE

つまり、XC60未満のユーザーでディーゼルが好きな人は、ボルボを買わないでくださいと言っている。2015年に販売開始し、たくさんの「ボルボディーゼル」ユーザーがいることはわかっているだろう。その人たちを切り捨てようとしているのだ。理由は簡単である。

BMWさんやアウディさんの平均購入単価が500万円台、メルセデスさんが600万円台なのに、ボルボだけが350万円。こりゃダメだと。

出典:NIKKEI STYLE

利益率の高いお客様だけを相手にしたいのだ。残念である。

ボルボは高級車ではなく、安全最優先のファミリーカーだ。何を勘違いしているのか。

ディーゼルにも未来はある

もうひとつ付け加えておく。ディーゼルエンジンは、まだ未発達ではあるが、植物由来のオイルでも走行できる。アルコールも可能だ。

研究を重ねていく必要はあるが、実はディーゼルエンジンは脱石油に関連しないのだ。

将来、食物問題などが解消され植物由来のオイルが大量生産される時、笑うのはディーゼルである。電気自動車が発展するその時まで、長距離移動は内燃機関が担うことになるだろう。

その時ガソリンが高騰していたら?(たぶん石油産出国は、EV阻止の為に安く原油を売るだろうが。)

確実にディーゼルエンジンと植物由来オイルの出番である。

ディーゼルエンジンにも将来性がある事を忘れてはならない。

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未来あるボルボの為に 良い説明を

ボルボディーラーとV50

以上より、ディーゼルエンジンの実用度はまだまだ高く、手を引くべきでは無い。

しかし、ボルボが小規模であるが為に、リソースを全て電気自動車につぎ込みたいのなら、そう言えばいいのである。

「我々は電気自動車の開発に注力することにした。だからディーゼルエンジンからは一旦手を引きたい。

世界で売れているのはガソリンエンジンである。ガソリンエンジンに電動化を組み合わせれば、ディーゼルエンジンを超える効率が出る。だからディーゼルエンジンは作らない。

ボルボユーザーには、新しい電動車に乗って欲しい。世界で一番安全な、世界で最も効率のよい、世界で最も環境に良いガソリンハイブリッドカーに。

それを作るために、今までの販売で手にした利益をすべで電動化に向けたい。」

 

これで良いのではないか?

ユーザーのリセールバリューを損なわないようになんて、日本市場を無視した言い訳であると言えないか?

人は人の本気を聞けば、感銘を受けるもの。VCJの木村社長の心は、私には届いていない。

ディーゼルのリセールバリューが日本で下がる理由と、ディーゼルを輸入しなくなることで得られるもの。

この2つを、しっかりと説明してほしいと思う。

まとめ

ということで、まとまらずに終わります(^^;)

タイトル通り、今回は前編。いつもの揉みくちゃ座談会は、後編に譲ります。

なぜかと言えば、全てを話し終えていないからです!後編、お楽しみに!

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コメント

  1. […] ボルボとVCJ 脱ディーゼルの理由を述べよ 前編ボルボのディーゼル撤退に対する意見文です。小中クラスでディーゼル撤退を決めた理由をしっかりと解説していないVCJを見過ごせません […]