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コラム ボルボ論 良い自動車販売の条件

  • 2019年4月12日
  • 2019年4月12日
  • コラム
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ボルボの自動車販売戦略は、良いのか悪いのか。日本の失敗事例を見ながら考えます。

ボルボ V40 T5 R-Design FinalEditionが登場しました!

通常のV40 T5 R-Designと比べて、リアシートヒーターやパノラマガラスサンルーフなど、ClassicEditionに準じた特別仕様装備になっています。

T5エンジン搭載のV40は、2019年モデルが最後と見られているため、たったの50台限定ですが、気になる方はディーラーに連絡を入れておきましょう(^^)

特別仕様車だぞ!というところに今回は浮かれずに、販売方法に対する「ボルボ論」を展開します。

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輸入の独占企業である正規販売店

さて、輸入車ディーラー、つまりインポーターは、自動車製造会社からライセンスを受けて、正規販売店として車を輸入しています。

正規販売店は日本では複数あることは少なく、ヤナセが扱っていればヤナセとメルセデスベンツなど、せいぜいこのパターンくらいしかありません。

他には並行輸入などがありますが、ディーラーでサービスを受けられないとか、並行輸入会社の体力の少なさなどによる販売店の閉店など、ユーザーにリスクが発生する可能性が高くなります。

つまり、正規販売店というのは言うなれば輸入権の独占であり、本来であれば日本で欲しいというユーザーに対して、決め細かな車種の対応やサービスを心がけないといけません。

特別仕様車が50台限定!などという、限定商法などをしていてはいけないと思うのです。

今回は販売方法についてのボルボ論ですが、ボルボカージャパンの話に入る前に、日本の自動車販売店について先に述べることとします。

日本人の日本式販売方法はどうだったか

セリカのリヤ2

皆さんは、販売チャネルの多角化はご存知でしょう。

トヨタ自動車が先頭を切り、日産自動車が追従。マツダも追従しましたが、バブルの影響もあり全店舗全ラインナップ体制に戻しています。

日産はレッドステージ/ブルーステージと2チャネルに集約しましたが、間も無く全ラインナップを扱えるようにしました。

トヨタ自動車も2018年に、今後は全ラインナップを揃えられるようにする方針を固めました。

そもそも、なぜ販売チャンネルの多角化が生まれたのでしょうか?

顧客ニーズに応えたいのか応えるフリをしたいのか

これは簡単に考えると、販売車種の増加によるセールスさんやスタッフの仕事の軽減、チャネルごとのブランド確率です。

日本ではバブル前、様々な実験的な車種が華やかにデビューしていましたが、様々なユーザーの声を集めて実現していると、キリがないことがわかってきました。

しかし、顧客ニーズを無視した自動車作りを止めるわけにはいかなかった。

トヨタ自動車は古くから、様々な顧客ニーズに応えるために販売店をチャンネルに分け、似たような顧客層がそれぞれのチャンネルに集まりやすい環境をつくり、販売数を増やしていきました。

この手法に沿ったのが日産とマツダでしたが、トヨタより先に失敗してしまいます。

特にマツダは、販売チャネルをトヨタと同じ「5チャネル」まで増強しますが、トヨタほどの開発能力は無く、ならばとバッジの違う兄弟車を投入してユーザー離れを起こし、大赤字に陥った挙句にフォード傘下に入る悲劇が起きてしまいます。

ここまでの話では、「なるほど、ユーザーニーズに応えるのは大変なんだな」と思う話かもしれませんね。

ユーザーニーズに応えるために、チャネルを増強したと言えば聞覚えはいいでしょう。

でも結局は、販売台数の増強、粗利の確保が主眼であったと言うしかありません。

顧客の方を見ていれば、そして顧客のニーズに合っていれば、読み間違えなければ、チャネルの多角化や兄弟車祭りなどせずとも販売台数は伸ばせたはずなのです。

(実際には、バブルの影響をモロに食らってしまったのがキッカケの1つではありますが、外資に買われるところまでは行かなかったでしょう。)

顧客ニーズの読み違いほど、ものづくりで恐ろしいものはありません。

ベースはいつでも販売する努力ができるかどうか

そしてもう1つ、目に見えないが忘れてはいけない事があります。

それは、ライバルの販社がいるかいないか。ライバルが居る事により、販売会社は様々な努力を惜しまずに続ける事になります。

20年前、カローラ店にお邪魔した際に出た言葉は、他のメーカーではなく「ネッツ店には負けない」という言葉でした。

努力とは、値引きではありません。

セールスさんのアフターフォロー、定期訪問もそうですし、居心地の良いディーラーであったり、他のサービスの展開であったり、本当に様々です。

(カローラ店も当時、auの携帯電話などの販売をしていました。確かau。)

トヨタ自動車がバブル期を超えても多チャネル性を継続できた事の理由として、セールスさんと顧客との繋がりが強かったから、このセールスさんから買いたい。という流れが多かったという事を、以前聞いた事があります。

結果だけを追い求めてしまった(もちろん、しっかりとお客様との繋がりを大事にしている方も大勢いたとは思いますが)日産やマツダは、落ちるところまで落ちてしまうのです。

ボルボの販売方法を考える

ボルボCIマーク

さて、前置きが長くなりましたが、今のボルボはどうでしょうか。

顧客のニーズを読み取れているか。販売する努力を惜しまず実施しているか。

顧客ニーズはつかめていない

顧客のニーズは、あきらかに読み間違えている印象があります。それは、ディーゼルエンジン車の輸入制限であったり、オプション装備の付け方で合ったりです。

選べるオプションが少ない、という事は、厳選してお客様のニーズに合ったセットオプションの構成になっていれば、問題ないばかりか選ぶのが簡単で良い評価になることもあります。もちろん完成品を輸入するのですから、制限がかかることは理解できなくもありません。

ディーゼルエンジン車のラインナップは、しっかりとした説明をすれば良いのです。日本に輸入したくない理由を、将来の予測を、しっかりと伝えてくれるだけで随分とボルボオーナーの気持ちも落ち着くでしょう。

最近いただきましたコメントに、XC60のマイルドハイブリッド「B4」の導入が、今年度のモデルチェンジでは実現しない、とセールスさんから聞いたという話がありました。

燃費のいい車に乗りたい。環境に良い車に乗りたい。このような顧客ニーズに対して、まったく応えようとしないボルボ・カー・ジャパンに嫌気がさす、という話も良く聞きます。とても残念でなりません。

もちろん、現場のセールスさんは耳にタコができるくらいに、同じような事を言われているようです。さぞかし苦労なさっている事でしょう。

微かな光明

しかし、期待できる話もありました。

私の担当するセールスさんのいるディーラーでは、ボルボのイメージを店内に展開する「ボルボ・リテール・エクスペリエンス」の工事の為、約半年間ショールームが使えないという状況に陥ったそうです。

そこで顧客回りを中心に展開したようなのですが、結果はなんと「販売台数前年超え」。

思わぬ好成績に終始笑顔のセールスさんでしたが、この結果をボルボ・カー・ジャパンや販売会社がどう捉えるか。ショールームが復活したから、外回りを少なくできる、と見るのか、外回りだけではなくても、お客様との接点を大事にしたいと思うのか。

 

目の前に大きな答えが落ちている。今のボルボに、その答えが拾えるのか。

 

私のV40を担当していただいているセールスさんは、優秀なセールスだとは決して言いません。しかし洗車してコーヒーを飲みに行く私との会話を、閉店まで付き合ってくださる素晴らしい人間です。

私はもう一度、この方から購入しても良いと思っています。

セールスの地盤は整っています。

あとは本当に欲しいと言える車が出るかどうか。

 

自分達の都合のいいラインナップしか揃えていない今のボルボ・カー・ジャパンの体制に、今疑問が投げかけられています。

顧客ニーズをつかんで欲しい

バブル直後、急速に販売台数を増やしたのが「ホンダ」でした。

オデッセイやステップワゴンと、当時の顧客ニーズにピタリと合ったミニバンが売れに売れ、国内第2位の販売台数まで登りつめます。

スポーツカーのホンダというイメージではありましたが、そのシュンと回るエンジンが乗っているステップワゴンもまた、気持ちの良い車でした。

ボルボは今、XC40というライバルに負けない実力を持つSUVがラインナップされています。

しかし、新型RAV-4もVW ティグアンも相当実力を持っています。北欧デザインも相まって大人気ですが、これが2年、3年後にどうなっているか。

もともとリアシートの扉の開け閉めに難があるXC40ですから、受注台数が減少するかもしれません。

その時ボルボ・カー・ジャパンはどうするか。V40後継車が出ていて、そちらで食いつなぐのでしょうか。

100万台受注を目指すのであれば、行うことはまだまだ沢山あるでしょう。ひとつひとつ拾い上げて、安全性だけでなくディーラー対応もオプション構成でも、世界トップの自動車メーカーになって欲しいと願うばかりです。

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